掲示板に戻る /戻る /全部 /1- /最新10 /▼ラスト

続・家内の情事

[1] スレッドオーナー: :2024/11/20 (水) 21:38 ID:plD6./9. No.31825
オールドファンのみなさまへ、

2011、2012年頃?に投稿のあった不朽の名作体験談である「家内の情事」を、私自身の些細な実経験と願望や妄想を混ぜながら、二次創作的に続編という形で引き継がせていただきたいと思います。

なによりも上坂さんご自身や登場される方へ最大限のリスペクトをしながら、そして上坂さんの作風に沿いながら、綴らせていただきたいと思っております。

(※創作ゆえ年齢等に若干相違があるかもしれません、ご容赦願います)

---------------------

「中年夫婦の話ですので・・・」と始めた前作から早いもので10年余りの月日が過ぎました。

時代も令和に変わり、コロナ禍という世界的な試練や、ウクライナや異常気象、地震や豪雨災害など、とんでもない出来事や悲しい出来事もあり混沌とした世は、まだ続いています。

前作の終了からこれまでの間、私たちに起きた出来事を振り返りながら、多分おもしろくないと思いますが、次回より投稿をさせていただきます。


[2] Re: 続・家内の情事  :2024/11/21 (木) 20:20 ID:19n7RMKs No.31830
続編として投稿をする前に、すべてを伝えきれるわけではないのですが、これまでの変化を紹介させてください。

まず私たち家族は、この10年余りの間、大きなトラブルやアクシデント、また病気や怪我にも遭遇することはなく、ごく普通に暮らすことができていました。 
今の時代、その普通が実は幸せなことなのかもしれません。


そして私も61歳になりました。
定年が延長されたことにより、役職も退き、今ではかつて部下であった年下の上司の下で、主に取引先とのパイプ役、取引調整役のような長年の知識と経験が活かせる仕事を与えられて、それなりの充実感もあります。

家内は57歳となりましたが、相変わらず器量良し、スタイルももともとぽっちゃり目でしたが、特に変化もなく、というより全く当時と変わっていないと言って良いと思います。

一人息子の弘毅は27歳になりました。
当たり前のことですが、一番成長し立派になったと、未だに親バカ目線ですが、そう感じています。
大学院までは一人暮らしを経験して、卒業後は地元に本社のある会社に就職、彼女らしい存在の子は今はいないみたいですが、その分、大好きなサッカーを地域リーグに入って続けています。

そういえば、家内は弘毅が大学進学をしたことをきっかけに、私が勤務している系列の会社で事務のパートとして働き始めました。それから当時の社長さんの、たっての希望もあって正社員に登用されて、今に至っています。
普通の生活をする分、金銭的には苦労していない我が家でしたが、仕事を通じていろいろな刺激を受けることで、心身ともに健全に日々が暮らせるということもあり、むしろ私のほうからもお願いをしたくらいでした。

あとは家をリフォームしたこと、私と妻ともに時期は異なっていますが車を買い替えたこと、ちなみに私と弘毅の車を兼用にしました。
そして、その・・・車と言えば、健太君ですね。

健太君のことは、次回に書かせてください。


[3] Re: 続・家内の情事  palm :2024/11/21 (木) 22:00 ID:yhjJ1tFY No.31831
楽しみにしています!

[4] Re: 続・家内の情事  阪上 :2024/11/27 (水) 22:57 ID:P8TOotFY No.31843
覚えてます。まさに名作でしたね。
「家内の情事」で検索すれば、今でも読むことができるのは、大変ありがたいことです。
そのうち本物の上坂さんが登場してくるかもですね。


[5] Re: 続・家内の情事  さく :2024/11/28 (木) 13:12 ID:BFUDvqGs No.31845
まさか続編が読めるなんて、大いに期待しています。

[6] Re: 続・家内の情事  :2024/12/02 (月) 21:49 ID:FBKMeCOc No.31853
palm様、阪上様、さく様
コメントをありがとうございました。
またメールで激励をしてくださった方、ありがとうございます。
10年以上前の作品にもかかわらず反響の大きさにビックリしています。

では、次に健太君のことに触れていきます。

健太君といえば、10余年前、当時33歳で自動車販売店の営業マンだった彼が、家内の仁美に恋心を抱いていたことから、この物語の前作が始まりました。

私は彼に、家内に寄せる気持ちやその先にある恋心を打ち明けて、家内がその告白にどのように応じるのかを、試してみてほしい、とお願いをしました。
その結果、家内も健太君が好きだったことが判明しました。もちろん、家内は私のことも大事だと言ってくれましたが。

それから健太君と家内は、私の了解のもとで、デートやドライブを満喫するなど、急速に仲良くなり、二人は深く愛するようになったのです。
もちろん家内と健太君は、帰宅後は必ず、私にデートの内容を報告してくれていました。

やがて彼は、自動車販売の仕事に対する頑張りが認められて、親会社へのいわゆる上位転籍を打診され、彼は転籍を決意しました。
それはすなわち、私が認めている家内との恋愛にピリオドが打たれることを意味しました。そして最後の思い出として、二人だけで旅行に行くことを、私は了解しました。
そして健太君は新任地に旅立ちました。彼の存在は私たち夫婦に良い意味で大きな刺激となり、私と家内の絆も強くなったところで、前作は終わりました。

私にとっても妄想していた性癖が実現できたこと、家内にとっても若い男性と堂々と恋人同士になることができたこと、健太君にとっても大好きな女性に、思う存分の愛を注げたこと、これらは、まさにwin-win-win だったのです。

健太君については、これからの話の中で、少しずつ触れていきたいと思います。

さて、2年前の6月梅雨の頃に私は、家内が乗っている軽自動車の車検の引き取りのために、あの馴染みのディーラーに来ていました。
かつては健太君もこの店で営業マンとして頑張っていました。
当時の店長はすでに定年退職をされ、そのほかにも今の店舗スタッフで当時のまま在籍しているのは、副店長だけになっています。

その副店長と、車の話をしているときに、ひょんなことを私に言ってきたのです。


[7] Re: 続・家内の情事  :2024/12/03 (火) 21:52 ID:eaZMy4CU No.31856
続けます。

副店長は、まだ言えない話だ、と前置きをして、来月の ある土日から次の土日までの9日間は「顧客大感謝ウィーク」が開催されると私に知らせました。内容は、この間に購入(代替)をした顧客には、購入後のメンテナンスの割引や、用品のサービスがあるとのことでした。
だから、もしも代替をするのなら、今月よりは来月のほうが絶対にお得だということでした。
ディーラーでは、このようなイベントは良くある話なので、「そうか、なるほど...」と私は正直、半分 退屈さを感じながら聞き流していたのです。

しかし副店長の次の言葉で、私は耳を傾けることになったのです。

「以前、こちらに勤務していた・・・上坂様にも、たいへんお世話になっていた神崎の企画なんです」

「へぇー、そうかい! 健太君の企画なのか! 懐かしいなぁ、それは来ないわけにはいかないな」

その後も、あくまでもお客と営業マンの関係に限った話題ではありましたが、健太君の話が続いたのでした。

健太君は10余年前に親会社に転籍後、販売の企画やマーケティングを担う部門に配属され、そこで大いに実力を発揮し、やがて販売の指導的な立場で海外の系列会社に転属されていたとのことです。
そして4年間の海外赴任を終えて、半年前に古巣の販売会社にそれなりの立場で戻ってきたらしいのです。

私は健太君が大きく成長した話を聞くと、本心から嬉しくて、またあらためて10余年という歳月の重みを感じていたのです。


[8] Re: 続・家内の情事  阪上 :2024/12/03 (火) 22:41 ID:enXsIF3c No.31857
更新ありがとうございます
健太君は順風満帆のサラリーマン人生を送っているようですね
仁美さんとどのように再会して、そして・・・
続きを期待しています


[9] Re: 続・家内の情事  :2024/12/07 (土) 18:41 ID:3YG5o5II No.31859
阪上様、メールで応援をしてくださる方、
ありがとうございます。


続けます。

健太君の話はその日の夕食の時に私の口からごく自然な形で出ました。

「そういえば健太君…… すごく偉くなったらしいぞ」

「健太君? あの健太君のこと?」

「あの健太君さ、彼しかいないだろ…… 今日、副店長に聞いたんだ」

「健太君? うわぁ、なんだか懐かしい名前ねー」

家内の反応も自然でした。私としては、もう少し感慨深い表情とか声色になるのかなと見ていたのですが、全くそんなことはありませんでした。
「女は過去を捨て男は過去にこだわる」「男性は過去に生きて、女性は未来に生きる」などと言われていますが、家内の反応を見る限り、まさにそのとおりでした。

それでも少し私が、海外で勤務をしていたらしいとか、元の会社に戻ったらしい、と副店長に聞いたままを追加して話したので、家内もお付き合い程度に話に乗ってきていました。

「それはすごいわね、じゃぁ健太君は元の会社に戻って偉くなったのね」

「そうだ、立派なもんだよ。 そうそう、来月のイベントも健太君が発意した企画らしいぞ。 一緒に行ってみないか?」

「うん、そうね どんなものなのか、せっかくだから」

家内も、特に思うところがあるわけでもなく、健太君という知り合いのイベントを覗くだけ覗いてみよう、
それくらいの軽いノリのようなもの、としか私には見えませんでした。

10余年前に家内と健太君の恋愛関係はピリオドを打ちました。
一般的には、過去の恋愛については積極的に触れるようなことはないと思いますが、少なくとも私たちの間での彼の存在は、決してネガティブではありませんでした。

それでも10年以上の年月が経てば、そんな健太君の話題も、半年に一度出るか出ないかくらいのことで、今回もそれと似たような感じではあったのです。
もちろん、私たち夫婦が健太君のことを避けようとか、忘れようと意識をしていたわけではなく、時が自然に彼の存在を薄くしていたのです。

たとえばある日、家内とドライブに出かけたときにも、通りすがりに見えたカフェに、

「あっ、あの古民家って、実はカフェなのよ」と家内が言えば、

「へぇー、そうなのか、よく知っているな?」

「健太君とドライブしたときに行ったことがあるの」

また別の日に家内と街に買い物に出たときに、今度は私が、

「ここのパン屋は健太君が通っていたらしいぞ」と言えば、

「そうね、カレーパンがおすすめですって、聞いたことがあるわ」と家内が返していました。

そのような感じで、何度も繰り返しますが、私たち夫婦は、というか家内の中では、かつての健太君は、当時の本当に良い思い出としての存在になっていたのです。

しかし正直な話、私は健太君にダビングをしてもらった、あのDVD3枚はしっかりと保管をしています。
健太君が私たちのもとから去っても、しばらくは見返して、ひとりで興奮したこともありました。
ここ5年6年?近くは見返していませんが。

また、家内が身も心も健太君の恋人に徹していた姿は、記憶から消し去ることはできません、思い出すこともあります。
但し、思い出すことはあっても、かつてのような昂りをおぼえることはなくなっていました。
実は私は1年前からEDになってしまったからです。急な体の変化でしたが、半分は諦め、半分は受け入れて上手にお付き合いをしていこうと思っています。
家内とは既にセックスレスですし、寝室も別になっているので、特に不自由はありません。

さて、話を戻します。

ディーラーに行って、副店長と話をした日から、早くも一か月が経ちました。
いよいよ梅雨も終わり、本格的な夏を迎えた暑い日のことでした。

定時で仕事を上がり、いつものように夕食前に帰宅をした私に家内が声を掛けてきたのです。

「おかえりなさい、あなた宛てに、ダイレクトメールが届いていたわよ」

家内に言われて、テーブルの上を見ると、
「顧客大感謝ウィーク」開催!とオモテ面に印刷されていた封筒が置かれていました。


[10] Re: 続・家内の情事  阪上 :2024/12/11 (水) 20:38 ID:r61vBrjQ No.31863
確かに女性は男性から見てもびっくりするぐらい、過去に拘ってないような面はありますね
ただ、仁美さんの場合は、健太君は一生忘れられない存在でしょうね
果たしてどのような展開か待ち受けているのでしょうか


[11] Re: 続・家内の情事  :2024/12/14 (土) 21:41 ID:f191S0MA No.31871
阪上様、メールで応援をしてくださる方、
いつもありがとうございます。

続けます。


「顧客大感謝ウィーク」開催!」と書かれたダイレクトメール。

今どき珍しいの厚い封筒の中身は特大のチラシが折り込んであったり、なにやらの抽選券とか、この時限りの金券、オイル交換サービス券など、販売店の総力を挙げたイベントであることが伝わりました。

副店長と話をしてから一か月、私はこのイベントのことをすっかり忘れていたのですが、家内は楽しみに待っていた様子でした。

「ねぇ、来週の土日からって書いてあるし、行ってみない? 私は行きたいわ」

今まで自動車ディーラーに行きたいなんてことは一度も言ったことがない家内が、こんなことを言うのは、先月、このイベントの企画が健太君だということを、私から聞いていたからでしょう。

「あぁ、なにより健太君の企画だから、賑やかし程度でも盛り上げてやらないとな」

すっかり忘れていた私も、家内につらえてそう答えたものの、やっぱり健太君のことは応援したい気持ちもありました。

「ねぇ、健太君もいるかしら?」

「それはわからないな、ここの店だけじゃなく、ほかの店も一斉に同時開催するんだろ、それに健太君は本部の偉い人らしいから、来たとしても少し覗いてすぐ帰るさ」

正直、私も彼に会いたい気持ちはあったのですが、過度な期待はしないことにしました。

そして当日、私たちは「顧客大感謝祭」の会場にいました。

数々の色とりどりの新車が展示され、レースカーやカスタムカー、キャンピングカーなども、多くの来場客に注目を浴びていました。
たこ焼きやフランクフルトなど定番の屋台も軒を連ね、仮設のステージでは、お笑い芸人のショーや、スーパー戦隊ショー、マジックのパフォーマンス、地元高校生のダンスショーや吹奏楽演奏なども行われて、観客席のうしろに立ち見が出るくらいの盛況でした。

お天気にも恵まれて、私たちも賑やかな会場を歩いていると、店長をはじめ、お店のスタッフからも挨拶や声を掛けられるなど、上得意の顧客として、それなりに扱われている気になった私はとても満足していました、単純ですね。

それとなく家内を窺うと、いつもと変りなく、催し物を楽しみ、展示物に興味を持ったりと、特に健太君を探してキョロキョロしている様子もありませんでした。
それもそうですよね、もう10年以上の時が経ったのですから。
むしろそんな家内に気を向けている、私のほうが余程健太君を気にしていたのかもしれません。

「楽しかったわね、さすが健太君の企画だったね」

「そうだな、これだけの顧客を呼んで、喜ばせているイベントを企画するなんて、大したもんだよ」

それでも2時間近くはこの場にいたでしょうか、そろそろ帰ろうかなと、ゆっくりと駐車場に足を向けた時でした。
ちょうどすれ違った若い女性の営業スタッフが襟元のピンマイクに向けて話している声が聴こえたのです。

「店長、神崎部長がお見えになりました」

おそらく無線連絡で来場を伝えていたのでしょう、やっぱり私は健太君の姿を一目だけでも見たくなりました。そしてすぐに隣を歩く家内に言いました。

「健太君が来たみたいだぞ」

「あら、早いわね」


[12] Re: 続・家内の情事  中村。 :2024/12/24 (火) 19:41 ID:UbY05uNw No.31899
とても期待してます!
頑張って下さい!


[13] Re: 続・家内の情事  ヤマユリ :2024/12/25 (水) 04:05 ID:4TPX2zGQ No.31901
とても、良い展開ですね。期待してます。

[14] Re: 続・家内の情事  阪上 :2024/12/27 (金) 21:20 ID:P8TOotFY No.31925
更新心待ちにしております

[15] Re: 続・家内の情事  :2024/12/31 (火) 18:55 ID:f4BuTRdg No.31933
中村様、ヤマユリ様、阪上様、応援メールを送ってくださった皆様

コメントをありがとうございます!
体調を崩しまして、更新が遅くなっていますこと大変もうしわけございません。
引き続き上坂さまへのリスペクトは欠かさずに、
来年はしっかり更新が出来るように体調を整えていきたいとおもっています。

今年はたくさんの応援ありがとうございました!
おたがい来年が素晴らしい年になりますように!

追記:ところで、仁美さんのこれまで、で違和感(匂わせ?)があること、すでにお気づきでしょうか? ^^


[16] Re: 続・家内の情事  阪上 :2025/01/01 (水) 11:01 ID:LLkf7rmk No.31935
大晦日の更新、ありがとうございました
体調を崩されていたとのことですが、まだまだ寒い日が続きますので、どうぞご自愛ください

さて、仁美さんの違和感(匂わせ?)ですが、ズバリ申し上げます(笑)
12/14 (土) 投稿分の最後の仁美さんの一言です

「あら、早いわね」

これは、予め健太君の到着時間が、仁美さんにはわかっていたということ、
すなわち、仁美さんと健太君は事前にやり取りをしていたということではないでしょうか

もし私の想定通りとすれば、すでに2人の仲は再燃しつつあるように思います
これからの展開に期待します
今年もよろしくお願いします


[17] Re: 続・家内の情事  :2025/01/03 (金) 11:34 ID:O9vCgp6. No.31945
皆様あけましておめでとうございます。 
本年も上坂様にリスペクトをしながら、続けてまいりたいと思っております。

阪上様、応援メールを送ってくださった皆様 
コメント、ありがとうございました。よろしくお願い申し上げます。


続けます・・・

(偉くなったものだな・・・)
私は、先ほどのスタッフが口にしていた「神崎部長」というワードが頭の中に渦巻きながら、当時の健太君の姿をリンクさせていました。
まるで立派になった我が子を探すくらいの気持ちで、大顧客感謝祭で賑わうたくさんの来場客の中をかきわけるようにして健太君を探していたのです。

「よしっ、あっちにいってみよう」

私は、お笑い芸人のパフォーマンスで特に人だかりができていた仮設ステージの右横の大きなテントの中に健太君がいるような気がして早足になりました。
私としては健太君が中心となってこのイベントの企画をしたと聞いていたので、お笑い芸人をゲストとして迎える側の責任者として、ステージの近くにいるのでは?と思ったからです。

家内はまだキョロキョロしたままでした。

(やっぱり、健太君が気になるんだな)
家内は家内で、私と同じく健太君のことが気になるんだなと、そんな自然な姿に、ほっこりと微笑ましい気持ちになりました。

「あっちじゃないかしら」

不意に家内はそう言って、私の返事を聞くまでもなく、向かう先とは全く逆のコンテナハウスを指さして、今度は家内のほうが早足でそっちに向かっていきました。

「さすがにそっちは違うだろー」

私はそう呟きながらも、一生懸命に健太君を探す家内がどこか微笑ましく、だまって後ろについていきました。

このあたりに来るとステージ前とは違って、のんびりと会場の雰囲気だけを味わおうとするような感じの来場客がまばらに散らばっている状態でした。

コンテナハウスそばに着くと、ちょうど扉が開いて、お揃いの感謝祭トレーナーを着たスタッフとともに背が高く体格の良いスーツ姿の男性が出てきました。 
その男性はステージ方向を指さしながら、何やら真剣に取り巻きのスタッフに指示をして、スタッフたちはすぐに走って会場に向かっていきました。

取り巻きが外れ、ひとり佇んでファイルに目を落とすその男性。

身長や体格、そして佇んでいるときの雰囲気は、間違いなく健太君でした。


[18] Re: 続・家内の情事  中村 :2025/01/04 (土) 18:50 ID:raKEvt8s No.31953
良い感じになってきましたね。期待しています頑張ってください。

[19] Re: 続・家内の情事  :2025/01/16 (木) 12:48 ID:3026V4dM No.31991
中村さん、メールで応援してくださる皆様、ありがとうございます。励みになります。 原作者である上坂さんへのリスペクトをふくめて、書いてまいります。


(続きです)

「あっ、やっぱり健太君ね!」

家内の声が弾んでいるように感じました。

「うん、健太君だ、ここにいたのか・・・ 健太君に間違いないが、なんだか忙しそうだな・・・」

私は10年振りとなる再会だけに、彼との感動的なシーンを期待していた、というわけではないのですが、忙しそうにスタッフに指示を出す彼の姿を遠めに見ると、一気に現実として、この場を仕切る責任者として奮闘している彼の姿を見ることができて、嬉しさよりもどこか安心した気持ちになりました。

「忙しそうだから、ここまでにしておこうか、どうする?」

そう家内に言ったつもりでしたが、家内は、そのままコンテナハウスの前に立つ健太君に向かって、声をかけたのです。

「健太くーん!」

残念ながらその声は向こう側のステージからの大きな音声と被ったのか、彼の耳には届いていませんでした。

「神崎部長!」 

今度は私がひときわ大きな声で彼を呼ぶと、ぴくっと反応を示し、怪訝そうな顔つきで私たちの方を向きました。
それでもあらためて私たち二人の姿を確認するなり、パッと、にこやかな笑顔を浮かべて、すぐに私たちのもとに小走りで近寄ってきました。

「ご無沙汰しています! 上坂さん ご来場いただきありがとうございます」

ハキハキとした彼の声は昔と変わっていませんでした。

「なかなか盛況じゃないか、神崎部長!」

私は冷やかし半分に、あえて健太君とは呼びませんでした。

「やめてください、上坂さんには、いつものように呼んでいただきたいです」

彼もさすがに照れくさかったのか、はにかみながらそう言いました。

「でも、本当にお久しぶりです」とにっこりとした笑顔を私に向けてきました。

私はその微笑みに、あの頃の健太君が戻ってきたかのような気がして、自然に胸が温かくなりました。


[20] Re: 続・家内の情事  中村。 :2025/01/17 (金) 21:21 ID:1ARncVtc No.31992
いやー、良いですね! マイペースで構いませんからよろしくお願いします。期待してます。

[21] Re: 続・家内の情事  阪上 :2025/02/07 (金) 20:59 ID:Woy6ekzs No.32043
上阪さん更新お待ちしてますよ
よろしくお願いします


[22] Re: 続・家内の情事  上阪 :2025/02/10 (月) 16:01 ID:dlh6H.Uk No.32047
中村。さん 阪上さん メールで応援をしてくださるみなさん いつもありがとうございます。
遅筆ですみません。


(続きです)

「それにしても立派になったんだなー、部長なんだろ?」

私が持ち上げ気味に言うと、健太君は軽く笑って答えました。

「いえいえ、立派になったのは、おなか周りだけですよ」

「ううん、それは貫禄がついたのよ!」

家内も嬉しそうに弾むような声を健太君にかけたのでした。

そんな会話をしながら、「むさくるしいところですが、すいません」、と私たちはスタッフルームと札のかかったコンテナハウスの中に招待されたのです。
掲示物やパンフレット、景品などが雑然とする中ですが、健太君も気を利かせてくれてスタッフから出されたコーヒーを飲みながら話をしました。

話によれば、健太君は親会社から海外の関連会社への4年間の出向を終え、3か月前に、元の(今の)販売会社に企画部長として帰任、その後は自動車の販売企画や戦略だけではなく、地域との連携を密にするために、地元の政財界や業界団体に対しても精力的にアプローチをしているとのことでした。

毎日が多忙で、「それでも充実しています」、と本人の口から聞けたことで、私たちは安心しましたし、健太君がより頼もしく思えてきました。

ただひとつだけ、気になったのは、彼はまだ結婚していなかったことでした。
ただ、私たちが話をしているまわりには、忙しなくスタッフの出入りがあったので、立ち入った話はできずに、「あぁ、そうか」程度で済ませるしかなかったのです。

家内はほとんど何も言わず、ほぼ黙って、私と健太君の話に相槌を打ちながらも、時折「大変ね」「食事は大丈夫なの?」など、心配そうに言葉を挟んでくるあたりは、かつての年下の恋人を労わるかのようなトーンで彼に声をかけているように私には聞こえましたが、さすがにそれは私の気持ちが盛り過ぎだったのかもしれません。

「ところで上坂さん、せっかくなので話をしたいことがあるのですが・・・」

健太君があらたまった顔を私に向けたのです。

「なんだい? 今の給料だと新車はすぐには買えないぞ!」

私は冗談を含めて健太君に返したのですが、意外にも健太君の表情は変わらなかったのです。

ただ、折り入っての話なら、このような場所で、しかも家内も隣に座っているところですることはないと、私は思ったのです。

一瞬のことですが、言い出しにくい健太君の様子を察した私は、彼を促そうとしたその時に、スタッフの一人が焦った顔をして、「すみませんお話し中に、部長、よろしいですか?」と健太君に耳打ちをしてきました。

さすがにイベントで忙しい中に彼を引っ張るのはよくないので、私たちのほうから、「それでは、そろそろ」と席を立ちました。

「上坂さん、せっかく来ていただいたのに申し訳ありませんでした。 先ほどのことは、またあらためて連絡をします」

「いつでも、いいぞ。 それよりも、お邪魔して悪かったな」

健太君は私たちをコンテナハウスの外まで一緒に見送ってくれたのですが、健太君と家内は私の後ろに付いてきながら小声で何か話していました。 

「…… あっ、だから早めに……たのね」

「はい、僕も早く……ったから」

「もぉ相変わらず、上手ね。 さすが部長さんね」

こんな感じ?だったと思います。

私は、このひとときを通じて健太君が立派に成長した姿が確認できたことに、十分満足を得ていました。
そんなこともあって、二人の雰囲気に、10年ぶりだし微笑ましいな、懐かしんでいるんだな、くらいにしか思えず、あえて私は後ろを振り向きもしませんでした。


[23] Re: 続・家内の情事  :2025/02/16 (日) 12:20 ID:3026V4dM No.32052
(続きです)

「本当にすみません、では、ここで失礼させていただきます」と言った健太君は、私たちに丁寧に頭を下げました。

「元気そうで安心したよ、わざわざありがとう」と私が言えば、家内も「がんばってね」と健太君に笑顔を向けました。

健太君は再びコンテナハウスに戻っていきました。

家内はその後しばらく、健太君が去った方向を見つめていましたが、すぐに私を振り向き、「本当に立派になったわね」と、やや感慨深げに言いました。
「うん、そうだな。ああやって大きく成長した姿を見られて、俺も嬉しかったよ」
そう私が返すと、家内は黙ってうなずいていました。

こうして私たちは久しぶりに健太君に会えたこと、健太君の元気そうな姿はもちろんビジネスマンとして立派に成長した姿を目の当たりにしたことで、むしろその感慨に浸っていたのか、帰宅する車内では家内も私もほとんど無言のまま過ごしました。

助手席も家内もいろいろと思うところがあったのかもしれません。
それもそのはず、家内と健太君は、かつては私が認める「恋人」になって、どこまでも激しく深く愛し合った仲なのです。 
今日、わずかな時間ではありましたが、「元カレ」に会えたことは、私以上に感動していたに違いありません。

私はハンドルを握り、そんな思いを寄せながら、健太君の姿をシンクロさせて、今日の家内のことを思い返していたのです。

ふと・・・ 
健太君が会場に到着した話が出たときに、家内が口にした「あら、早いわね」とか、健太君がどこにいるのかを探し回っているときに、「こっちじゃないかしら」と、まるで彼がコンテナハウスにいることを知っていたかのような言葉が気になってきたのです。
さらには、帰り際に、よく聞こえなかった二人が交わしていた会話すらも、もしかしたら今日ここで会うことが必然だったようなやりとりのように思えてきました。

そう思ってしまうとその思いが私の頭の中を駆け巡ってしまい、どこか釈然としない気持ちのまま、帰宅後、私はリビングソファーでまったりして、ボォーっとテレビ画面を眺めていました。

私の知らないところで二人は連絡をしあっていたのか? 
そうに違いない、じゃないと家内の口からあんな言葉が出るはずがないじゃないか。 
いや、これはただの思い過ごしで、たまたま家内が口にしただけのこと、忙しい健太君がそんなことをするはずがないし、家内だってそんなことがあると私に知らせるに決まっているじゃないか・・・

私は思い巡らせながら、キッチンで夕食の準備に取り掛かる家内に視線を送っていたのです。
思えば、このような健太君と家内の関係を妄想してしまうのは、まさに約10年ぶりのことです。
かつて「寝取られ癖」のあった私としては、忘れかけていた感覚、いや本当に忘れていた感覚が呼び起さているような気がしてきたのです。
しかも今、私の妄想は果てることなく、もしかして、私の知らないところで連絡はおろか、二人が二人だけで再会して、そして、かつてのような「恋人」のような関係になっていたら・・・

そんなふうに妄想を発展させていくと、EDに悩み続けている私にとっては、なんと嬉しいことに、忘れかけていた、いや諦めかけていた下半身に熱いマグマが沸き立ってくる、あの感覚を実感したのです。

「どうしたの? あなた、顔色が良くないみたいだけど?」

夕食の準備をしている家内が、キッチンから声をかけてきました。

「うーん、やっぱり疲れたのかな、歩き回ったからなー。 お前こそ、大丈夫か?」

「私は、今は大丈夫かな、あとで一気に疲れちゃうかもね」 家内はニッコリ返してきました。

この会話の流れ、私は、今だったら、臆することなく聞きたいことが聞ける流れだと、咄嗟に思ったのです。

「あっ、仁美・・・」

「どうしたの?」

「ところで 今日の・・・・・・」


[24] Re: 続・家内の情事  トキノミノル :2025/02/16 (日) 12:37 ID:RC9UajhM No.32053
初めてコメントさせていただきます。
上坂さんの作品大好きでした。
上阪さんが引き継いで復活させて下さり感激です。
しかも見事な再現性です!ビックリです。
お忙しいとは思いますがこれからも名作の執筆、頑張って下さい。


[25] Re: 続・家内の情事  さく :2025/02/24 (月) 07:49 ID:7LBDc85k No.32069
なにかゾクゾクしてきました。続き期待しています。

[26] Re: 続・家内の情事  :2025/02/25 (火) 10:16 ID:mrMdzz2I No.32071
トキノミノル様 さく様 メールで応援をしてくださる皆様 
応援ありがとうございます。 とても心強くそして励みになります!!


(続きです)

「ところで 今日の・・・・・・」

(ところで 今日のことだが、仁美・・・ まさか お前は健太君があの時間にあの場所にいることを最初から知っていたのか?)
 
私はこの言葉を出す準備をしていました。
声に出そうと喉元まで来ていたところです。

ただ本当に「私に黙って」二人が通じ合っているとしたら?

この先どのような展開になるのか、そして展開次第では、もう一度 仁美が健太君の恋人になるというシナリオに繋げることが出来るのかもしれない、いやもしかしたら出来つつあるのかもしれない。

私には、当時のあの興奮、そう無力感、焦燥、そして嫉妬が、もう一度、現実として味わえるかもしれない、という期待が湧いてきたのです。

私の脳裏には、このようなとても都合の良い状況こそ、今 EDに悩み、性的な興奮が下半身に伝わってくれないもどかしさを抱え悩んでいる私にとって、一番必要なことであることに気づいたのでした。

「今日の? 何? どうしたの?」

口籠っていた私に、キッチンで忙しく炊事をしている家内が問いかけてきました。

「あっ、今日の晩メシは何なのかな、と思って」

「あら、あなたがそんなことを聞いてくるなんて珍しいわね、今日はね、肉じゃがと・・・」

家内は特に私の様子を窺うこともなく、いつものトーンで返してきました。

なんとか、こんな感じで ごく普通の会話に戻すことができたのでした。

ところで、本当に二人が事前に連絡を取り合っていた、という「思い込み」を決めた私は、かつてのような興奮した日々を過ごしてみたいと思うようになりました。

しかもそれが事実であれば、今回は、私の知らないところで再び二人が、という設定がどこか被虐的であり、また私に対して挑戦的である状況であることも、弱くなった下半身に活力を与えるには十分な内容です。

そしてそれは、10余年前に私たち3人の関係が始まるきっかけにもなった、健太君と家内が(まだ営業マンとお客の関係ではあったのだが)私の知らないうちにメール交換をする仲になっていた、という状況に少し似ていることを思い出しました。

とにかく、まずは事実を確認する必要があります。

私は健太君にそのことを聞こうと考えていたのですが、どうやって、どのタイミングで、と考えていた矢先、こちらから問うまでもなく、健太君から私に連絡が来たのです。

あの顧客感謝祭から3日後のことでした。


[27] Re: 続・家内の情事  こてっちゃん :2025/03/03 (月) 12:29 ID:dPcGVmlE No.32079
続編、ありがとうございます!凄く楽しみにしていたので嬉しいです(^^)

[28] Re: 続・家内の情事  :2025/03/07 (金) 08:59 ID:3YG5o5II No.32088
こてっちゃんさま、コメントありがとうございます。 
展開が遅くて申し訳ありません、これからも気にかけていただければ幸甚です。


(続きです)

この頃から私は家内や息子弘毅とのスマホでのやり取りはLINEを利用していたので、メールは利用しなくなっていました。
だから、昼休憩中にスマホ画面に珍しくメール着信アリとの表示をみて、中身を読むまでもなく、健太君だと察したのです。

逸る気持ちと胸騒ぎを感じながら、私はメールを開封しました。

健太君のメールには、
「上坂様、先日は顧客感謝祭にご来場いただき誠にありがとうございました。」
と始まり、私と再会ができて嬉しかったこと、まだまだバタバタと仕事に追われていることなどが、長文ではありましたが彼らしい本当に丁寧な内容で綴られていました。

そして最終行には、
「先日お越しくださったときに話を遮ってしまった件について、改めて上坂さんと会ってお話をしたいのですが、ご都合はいかがでしょうか?」
と書かれてありました。

こんなことを言うと大袈裟に聞こえるかもしれませんが、綴られていたメール文を読むだけでも、健太君の成長が実感できたのです。

ただ一方で、「もしかしたら家内と」という疑惑、そしてその疑惑が本当のことであってほしいという(変な)期待が交錯した私は、感情をそのまま返信メールに書くことができませんでした。

久しぶりの健太君からのメールでしたが、私は日時場所の指定以外の文言を書き入れることなく、あえてシンプルな内容で返信をしました。

そして、翌週の金曜日の夜、私と健太君は駅前の居酒屋で会うことにしました。

その日が来るまで家内に対しては、いつも通りに接しながら、それでもどこか様子に変化がないか、と窺っていたのです。

私が気がつかなかっただけなのかもしれませんが、残念ながら それらしい家内の様子は全くないように感じました。

ただただいつもの日常が繰り返されていただけでした。

やっぱり、健太君と家内が、私の知らないところで、私には内緒で連絡をし合っていたというのは思い過ごしだったのかな?
 
私はそう思うと安心する反面、どこかスリリングな刺激を失った寂しい気持ちにもなったりして、それならば、はっきりと家内に問えば済む話ですが、今更、どのように切り出せばよいのか、恥じらいやプライドが邪魔をして、そこまでの勇気はありませんでした。

そしてもう一つ・・・
EDに悩む私にとっては、この正否不安定な状態こそ、微弱ながら下半身に刺激を与えるきっかけになっているのは事実で、家内の答えが「白」だとはっきりすれば、今のこの状態が消えてしまうことが怖かったという、なんとも複雑な気持ちもあったのです。

結局、私は抱えていた思いを封印したまま、健太君と会う日を迎えたのです。


[29] Re: 続・家内の情事  中村。 :2025/03/08 (土) 21:07 ID:WymfNp8s No.32091
面白くなってきましたね! まだかまだかと待ち遠しいです、頑張って下さい。

[30] Re: 続・家内の情事  こてっちゃん :2025/03/22 (土) 17:13 ID:KwVhB48A No.32136
私もまだか、まだかと毎日チェックしてます。よろしくお願いします(^^)

[31] Re: 続・家内の情事  :2025/03/23 (日) 23:27 ID:3j3yHfMQ No.32142
中村。様 こてっちゃん様  
お待たせしました、少しだけですが更新しました。 もう少しピッチを上げていきたいと思います。


(続きです)

約束の時間よりも少し前に、私は待ち合わせ場所である駅前の居酒屋に着きました。
 
席は予約されていて、2人用の半個室に通されました。

ご存知の方もいらっしゃると思います。
ここは昔、絵美さんという一時は結婚まで考えていた女性と別れ、傷心していた若き健太君と酒を交わしたことのある居酒屋でした。

(ここのお店ではそんなこともあったな・・・)

仕事が終わり今日ここに来るまでは、家内と健太君が、もしかしたら私に内緒で連絡を取り合っていたのではないか、という疑念を晴らそうと張り切っていました。

ところが昔と変わらない佇まいの この居酒屋に入った瞬間に、私は昔の健太君に思いを巡らせていたのでした。

それと同時に、以前のような張りのある、そして刺激的だった日々を私は懐かしく思い返していたのです。

「上坂さん、お待たせしました」  定刻通りに健太君は来ました。

「いや、俺も今来たところだ・・・ おつかれさんだったね」

健太君はスーツ姿、部長らしく品のよさそうなネクタイをしていました。 
ちなみに私はノーネクタイでしたが。

「上坂さん、今日はわざわざありがとうございます。お忙しいところ無理をいってすみません」

「いやいや、大丈夫だよ」

そんな短いやりとりの後、私たちはビールで乾杯しました。

「ところで、健太君、今日は何の話があるんだ?」 

早速、私は直球で健太君に問いかけてみました。

もしかしたら、家内が絡んでいる話なのか? 
もしもそうだとしたら、以前のような刺激的な日々が再び訪れるのか?

私は少しの期待を持ちながら、冷静さを装うように努めていました。

「そうですね、お願い事なので、酔わないうちに、お伝えしたほうが良いですね」

健太君はすぐに姿勢を正し、ネクタイの結び目に手をやり、締めなおすと、あらたまった表情で、私にそのお願い事を話してきたのです。

私はそんな健太君の仕草に、若干戸惑いを感じましたが、ビールジョッキを口に当てて、表情をごまかしながら、健太君の話を聞くことにしました。


[32] Re: 続・家内の情事  こてっちゃん :2025/03/23 (日) 23:34 ID:tAJirosM No.32143
更新有難うございました!胸が詰まる展開で、ドキドキしながら続きを楽しみにしております(^^)

[33] Re: 続・家内の情事  :2025/03/29 (土) 20:13 ID:6InF.yGI No.32161
健太君はさっそく私に身振り手振りで熱心に話を始めました。
その姿は、爽やかな笑顔に、早すぎずゆっくりすぎない小気味良いペースで、
自動車セールスマンとして頑張っていた10余年前の健太君を思い出すような気がしました。

さて、健太君が私に話してきた内容は、仕事に関することだったのですが、
家内にも協力という形で登場することだったことから、私にも理解をしてもらって、
ぜひ協力をお願いしたいという内容でした。

それは要約すると、以下のようなことでした。

・健太君の勤める販売会社の(健太君の出向先だった)親会社が、来月の下旬に「エグゼクティブパーティ」を開催することになった。

・その「エグゼクティブパーティ」は、4年に一度、全国に点在する販売会社が持ち回りで担当をすることになっており、今年は健太君の会社が幹事会社になった。

・その「エグゼクティブパーティ」は、親会社とグループ会社の威信をかけた昭和の時代から続く伝統的なイベントで、国内のみならず海外の重要な取引先のVIPや政財界からも参加があり、政治的かつ社交的なパイプの維持や繋がりの強化が狙いとなっている。

・その「エグゼクティブパーティ」の出席者はパートナー同伴であることが習慣化している。
もちろん必ずというわけではないが、特に海外からの招待客は日本の旅行も兼ねているため、ほぼ全員が夫人や婚約者、はたまた愛人など、パートナー同伴で出席される。

「なるほど・・・ 令和時代になっても、そんなパーティがあるんだな・・・ なんだか世間離れした華やかな世界だな」

健太君の繰り出す話に、私は相槌を打ちながら、思わず口を開いていたのです。

「そうなんです、今どき、まだこんなパーティなんて、と思っていながら、わが社としては親会社のイベントだけに、なんとか成功するように準備に追われているんです。」

そのとき私は、パーティそのものの話よりも、健太君が「わが社」と口にしたことに、彼の社会人としての成長を感じていました。

そんな健太君は、最近まで海外勤務経験があることから、海外招待客のホスト責任者に「大抜擢」された、とのことでした。

「ということで・・・ 実は、ここからが上坂さんへのお願いになるのですが・・・」

健太君はあらたまって私に顔を向けました。


[34] Re: 続・家内の情事  こてっちゃん :2025/03/29 (土) 23:52 ID:uh2g.QEI No.32163
更新ありがとうございます!益々楽しみな展開になってきました。
続き楽しみにしております!


掲示板に戻る /戻る /全部読む /最新10 /削除依頼 /▲トップ
処理 記事No パスワード


お名前 *必須 *トリップ可
E-Mail
タイトル
コメント
パスワード (投稿文の削除や修正時に使用します。英数字で8文字以内)
文字色
  

・投稿前に、必ずTOPページの「初めに読んでね」をご覧いただき、全ての内容をご了承の上で投稿してください。
・氏名、住所、電話番号、勤務先等プライバシーが侵害されるような内容を含む記事等の投稿は厳禁です。(即時削除)
・日本の法律に違反するような投稿は厳禁です。(即時削除)
・他人を誹謗中傷する投稿は厳禁です。(即時削除)
・誹謗中傷には大人の良識に反するような「汚い言葉」等も当然含まれます。
・規約違反や違法な投稿を発見した場合に、レス投稿で攻撃することは厳禁です。(即時削除)
・規約違反や違法な投稿を発見した場合は、管理人宛に削除依頼等でご連絡ください。
・この掲示板は体験談や小説、エロエロ話等を楽しんでいただくための掲示板ですので、募集を目的とした投稿は厳禁です。(即時削除)
・投稿文冒頭から「メールをください」等の記載がある等、明らかに募集目的のみと思われる投稿も厳禁です。(即時削除)
・ただし、レスの流れの中でメールのやり取りをするのは全く問題ありません。
・ご夫婦、カップルの方に限り、交際BBSと組み合わせてご利用いただく場合は、全く問題ありませんのでドンドンご利用ください。
・なお、交際専用BBSにスレッドを作成できるのはご夫婦、カップルの方のみですのでご注意ください。
・お手数ですが、交際専用BBSと画像掲示板とを組み合わせてご利用いただく場合は、必ずその旨を明記してください。
 【例】「交際BBS(東・西)で募集している〇〇です」、または「募集板(東・西)の No.****** で募集している〇〇です」など。
・上記のような一文を入れていただきますと、管理人が間違ってスレッドを削除してしまうことが無くなります。
・万一、上記内容に違反するような投稿をされた場合は、妻と勃起した男達の各コーナーのご利用を制限させて頂きますでご注意ください。
・当サイトは安全で安心できる楽しい「大人のエロサイト」です。腹を立てるのではなく、楽しくチ●ポを勃ててくださいネ!