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挿入捜査官・夏海

[1] スレッドオーナー: :2020/01/16 (木) 21:58 ID:LjoiDqVI No.27379

 今回の潜入捜査に不満は無い。……しかし疑問が残っている。

 日夜、交通整理と地元の治安維持に明け暮れる海原 夏海(うみはら・なつみ)は、45歳になる人妻婦警である。
 そんな一介の婦人警官であるはずの自分がいつもの任務とは毛色の違う『潜入捜査』へ配属されることに、僅かながらも夏海は戸惑いを感じずにはいられなかった。

 しかしながらそこは、人一倍強い責任感と正義感とがすぐにこの任務への後ろ押しをした。これもまた平和活動への一歩であるのだと割り切ると、途端に夏海はこの任務への情熱を滾らせるのであった。
 と、ここまでは良かった。

 問題はその捜査における『役割』である。

『君の役割は、この捜査界隈では知らぬ者はいない『淫乱痴女』だ。そのように振舞ってくれたまえ』
「は……はい?」

 今回の任務にあたり、担当である上司から告げられた役割がそれであった。

『淫乱痴女』――事の始まりは、その本物の彼女が逮捕されたことに端を発している。

 もとは単なる公然わいせつ罪による補導ではあったのだが、その後にかの界隈がとある組織の潜伏先である可能性が浮上した。
 港にほどなく近いそこには週替わりで長距離航海のタンカーや客船等が着船しており、それに紛れては組織の人間が身分偽装の密入国を繰り返しているということが分かったのだ。

 その報告を受けて公安部も一計を案じる――それこそが、かの『潜入捜査』であった。

 件の捕らえた痴女を夏海が偽装することで、そこでの情報収集と組織への探りを入れるというものであった。
 幸いにも例の痴女の住処はほぼ港の敷地内といった立地ゆえ、近隣に彼女以外の住人は居なかった――すなわちは昨日今日で夏海が彼女と入れ替わっても、誰もその異変に気付かないのだ。

 そして何よりその痴女と年齢や、さらには目鼻立ちが良く似通っていたことから、今回の捜査において夏海に白羽の矢が立ったという訳である。
 
『無理に捜査へ深入りする必要はない。あくまで向こうから接触してきた者とのみ情報収集を行うようにしてくれ』

 そう言って捜査の説明を終わらせようとする上司に、夏海は当惑するように口ごもってはおずおずと質問の手を上げる。

「あの……向こうからの接触ということは、その……性的な行為に及ぶということでしょうか?」

 当然の疑問であった。
 もし上司の言う『淫乱痴女』の設定が正しいとするならば、そんな彼女に接触してくる者の目的は一つしかないからだ。
 そんな夏海からの質問に、上司もまた小さくため息をついた。

『……『淫乱痴女』という設定だ』

 そしてミッションの説明と同じ答えを繰り返す。

『……君がこの捜査に参加していること、そしてそこで起こったことに関する一切の情報は外部に漏らさないと約束しよう。同時に避妊や性病対策といったケアも充実させる』

 以上だ――そう上司は締めくくった。


[2] Re: 挿入捜査官・夏海  :2020/01/16 (木) 21:59 ID:LjoiDqVI No.27380

 そして夏海は今、疑問を胸に抱いたまま捜査の初日を迎えた。

 訪れた元痴女の生家はこじんまりと整頓された2LDKの平屋であった。
 彼女の来歴が来歴だけにどれほど荒んだ場所に住んでいるものかと心配もしたが、思いもよらずまともな様子に夏海自身も胸をなでおろす。
 しかしながら、

「はあ……何も問題は解決していないのよね」

 そのことに気付いてため息をついた。
 結局は、夏海が痴女を演じなければならないという任務に変更はないのだ。

 とりあえずの調査期間として夏海には一週間の潜入が命じられていた。

 それを受けて出発する前日、夏海は夫に対して『海外での捜査に赴く』と噓をついた。
 捜査内容を外部に漏らせないといった部署規定というよりはむしろ、事と場合によっては不貞を働きに行くとも取られかねない任務の説明をためらったからに他ならない。

 そんなことは露とも知らず、夫は新任務に赴く妻を労わっては励ましてもくれた。
 斯様な心遣いはよりいっそうに罪悪感を深めると同時、夫への強い愛情もまた再認識した。

 そして任務の前夜にも拘らず夫と性交渉を持った。
 半ば強引に夏海が迫るような形で夫とセックスをした。
 二回の射精を避妊具無しに膣で受け止め、そして今日の任務へと赴いたのである。

 それによっていくらかでも夏海の心の負担は軽くなっていた。
 二人の愛を再確認することで、たとえどんな形で夫以外の男性と関係を持とうとも、夏海(じぶん)の芯の部分は揺るがないことの自信と暗示とを強く持ったからである。

「そうよ……どんなことがあったって、私のあの人への想いは変わらないわ。絶対に負けたりなんてしないんだから」

 そうして決意も新たに任務への意欲を再燃焼させたその時であった。

『ごめんくださーい』
「ひぃッ⁉」

 突如として響いたその声に夏海は両肩を跳ね上がらせる。

 胸の前で両肘を折り、前屈みに背を丸ませては声のした方向である玄関先を窺い見る。
 今いる夏海のいる居間から僅かに鼻先を覗かせては玄関先を望むと、

『あ、どうもー。カルシステムですー。今週分の配達に上がりましたー』

 そこには縞の作業服(つなぎ)に身を包んだ男性が一人。そんな夏海に気付いて脱帽すると、折り目正しく礼をしては微笑む。

「あ……どうも」
『それじゃ、運んじゃいますねー』

 突然の出来事にまだ事態が飲み込めずに間抜けな返事を返してしまう夏海。そんな夏海に対しても、まだ二十代と思しき若い配達員は気さくに微笑んでは小走りに玄関から出ていく。
 以降は何度も室内外を往復しては野菜や肉といった品物のコンテナを運び込むその姿に、ようやく夏海も彼が食料品の配達業者であることを確認する。

「そっか……近所に買い物できるような場所がないから、定期的に届けてもらってるのね」

 斯様な来訪者の正体を知って安堵する夏海。

「そうよね……まさか来訪初日から訪ねてくるなんてあるわけないじゃない」

 誤魔化すように微笑んでは夏海もまた、素早く荷を解いてエプロンに袖を通す。
 通すが……そこで動きを止めた。

――『痴女』……なのよね。

 そう思い返すと、再びエプロンを脱いではさらにその下の衣類すらをも脱ぎだす。そうして一糸まとわぬ姿になると、改めてその上にエプロンを着込んだ。いわゆるは『裸エプロン』というわけである。

「あぁ、もう……布が薄いわ。乳首が浮いちゃう」

 元より豊満であった経産婦の肉体は四十路に突入してからさらにぜい肉を蓄えてと、円熟した女の佇まいをその胸元や尻の中にみなぎらせていた。
 そんなはち切れん肉体を薄布一枚のみで包み込むという予想以上の痴態に、夏海も我ながら慄いては慌てふためく。

 しかしながら、とその羞恥心を胸の内に押し込める。

 自分は、元よりこの家に住んでいる『痴女』という設定なのである。その家主がよそよそしく振舞ってなどいたら、その所作の一つで夏海の正体だって知られかねない。

「しっかりしなきゃ。もうこうなったら、完璧に任務を演じるのよ夏海」

 寝室と思しき6畳間の化粧台を前に鏡の中の自分へ激励していると、再び台所から配達員の声がかかった。
 一通りの品物を運び終えたらしい。

「第一印象が大切よ……恥ずかしいのは今だけなんだから、これくらい耐えなきゃ」

 そうして少しでも妖艶さが演出できればと、返事の余韻に気怠さを含ませては夏海も寝室を出た。


[3] Re: 挿入捜査官・夏海  :2020/01/16 (木) 22:01 ID:LjoiDqVI No.27381
 台所にてそんな夏海と対面した配達員はその初見のみ肩をすくめたが、すぐに変わらぬ態度に戻ると、何事もないかのように受け取り伝票のサインを夏海へと求める。

――良かった……何事もなく終わりそう。

 そうして恙なく配達を終え、

『それでは、来週また伺いますね』
「はい、ごくろうさま」

 再び一礼をして立ち去ろうとする配達員を前にしかし、

――このまま彼を返してしまっていいのかしら?

 夏海は任務を思い出す。
 自分の今の姿を見た時の配達員に、それほどの動揺は見てとれなかった。すなわちそれは、夏海が『痴女』であることを知っていたという訳である。

――だとしたら、この人も何か情報を持っている可能性があるわけね。確認しなきゃ……!

 もう任務は始まっている――そう考えた時、途端にスイッチが入った。
 元来、根が真面目で責任感のある夏海は、多重人格と見紛わんばかりの変身を果たしては捜査や任務に挑む一面があった。
 そして今もまた、それが夏海を突き動かした。


『君は、『淫乱痴女』という設定だ』


 上司の指令が脳内でリフレインする。
 たちどころに使命感は夏海を変える――『淫乱痴女』へと。

「ちょっと待って配達員さぁん……商品が足りないわぁ」

 足元に置かれたコンテナの一つへ身を屈めると、配達員の前へ胸元が覗き込めるように意識して上半身を突きだす。
 両脇を締めて肩をすくめるようにすると、二の腕の中で凝縮された夏海の乳房はエプロンの襟元の下で艶やかに谷間を盛り上げる。

『ッ……ごくり』

 その様子に気付いては、ついそこへと視線をくぎ付けにする配達員。
 初夏に汗ばむ夏海の肌は輝くような肌の光沢とぬめりとを帯びて、弾けんばかりの豊満な肉感をアピールしていた。
 そんな配達員の熱視線にさらされる最中(さなか)、ふいに瞼の上がった夏海の視線もまた上目にそれを受け止める。

「私、ミルクが欲しいの……ちゃんと聞いてらっしゃる?」

 僅かに微笑むイタズラっぽい夏海の表情が、配達員の盗み見を咎めるように見つめ返した。

『あ、いや……ッ』

 改めて互いの視線が絡み合うと、配達員は夏海の体を盗み見ていたことを気づかれまいと大げさに視線を振り切っては宙のあらぬ方向へと瞳を泳がせる。

『そ、そうですね……今回の発注ではミルクは入ってなかったみたいです。ご希望なら明日にまたお持ちしますが』

 そうして芝居がかった様子で配送の伝票を確認しては平静を装う配達員へと夏海は体を寄せる。
 そして、

「明日までなんて待てないわぁ……」

 乳房が押し潰れるほどに自身の左半身を配達員へ押し付けたかと思うと、そこから登り出さんばかりにすがり付いては再び視線を送る。
 眠たげに瞼の下りた妖艶な瞳で仰視するや、這うように伸ばされた夏海の右手は配達員のジッパーをまさぐった。

『お、奥さんッ!?』
「お兄さん……あなたのミルクで代用してちょうだぁい♡」

 そこから喉をそらせては戸惑う配達員の唇を奪うと、ジッパーを下した夏海の右手もするりとその中へ潜り込む。


[4] Re: 挿入捜査官・夏海  :2020/01/16 (木) 22:03 ID:LjoiDqVI No.27382
 ボクサーパンツの表面に綿の感触を感じながら、下着越しに掌の中央で配達員のペニスそれをこねくる。
 その一撫でに反応して強く脈打つそれ。下着の中で折りたたまれていたペニスは硬度を持ち始めて直立し、さながら蛇が呼吸でもするかのようジッパーから外部へとその姿を現した。
 それを目の前にして、

「まぁ、素敵なおちん……――」
『ペニス』を意味するその言葉を発しかけた夏海は口つぐむ。

――淫乱でなくてはならないのよ……上品に振舞ってはいけないわ。
 自分に言い聞かせ、喉の渇きを癒すよう生唾を一つ飲み込むと、

「いいチンポよぉ……どんな風に掻き回してくれるのかしら?」

 夏海は言いまわしを改めては、件のペニスをすくい持つように握りしめた。
 尿道を圧迫するように力を籠めると、血流の充血した亀頭はさらにカリの傘を広げる。

――触手ともあの人のとも違う……こんなに大きいのなんて初めて……

 右掌の中で脈打つその血流を感じながら平静さを装う夏海はしかし、気絶せんばかりに興奮してもいた。

――怯えちゃだめよ、夏海。これも任務なんだから。さぁ、勇気を出して……!

 自分に言い聞かせながら身を屈めて両ひざを床につくと、夏海は頭身を下げて配達員のペニスを眼前に突きつける。
 近づけた鼻先がすんと呼吸をすると、潮の香りにも似た発酵臭が僅かに鼻腔をくすぐった。
 異臭にもしかし、それこそは生殖器以外には醸し出せぬ高濃度のフェロモンであり、それに嫌悪を感じるよりも先に夏海の口は――

『うあッ……奥さん!』

 無意識にもそれを深く咥え込んでしまうのだった。
 途端、舌上に強い塩気が広がる。
 舌の表皮が縮むほどの味わいの中に僅かな酸味とが織り交じっては、得も言えぬ味わいを夏海の口中に広げた。

 斯様に食味とはかけ離れた下手物ではあるがしかし、唾液と溶け合ったそれが味覚を刺激し、そして呼吸とともに嚥下されると――夏海は音を漏らして吸い付いては、かのペニスをしゃぶりつくすことに没入した。

――お、お、おぉ……チンポぉ……私、あの人以外のチンポを食べちゃってるわ……!

 浅ましいまでの今の自分と、そして取り返しのつかない一歩を踏み出してしまったことへの後悔を顧みながら、それでも夏海は配達員のペニスを貪ることがやめられない。
 否、その禁忌を犯してしまったという自覚こそが何よりも今の夏海を発奮させ、そして発情させていた。

 口唇を吸い付けては強く搾り取りながら、口中では尿道と筒身を舌の上にこすりつけて奉仕をする。
 先の芳香に刺激されて唾液腺が崩壊すると、夏海の口中は頬が膨らむほどに唾液で満ちた。その焼けるばかりに体温を宿した唾液の中をペニスが往復すると、さながら押し込まれるよう強制的に、そこに満ちた唾液を夏海の喉へと嚥下させる。
 唇や舌上、そして口の甲と口中全体を使って感じ取るペニスのぬくもりに、

――おいしい……チンポ、美味しいわぁ………

 もはや夏海の意識は緩やかに混濁していくのであった。


[5] Re: 挿入捜査官・夏海  :2020/01/16 (木) 22:03 ID:LjoiDqVI No.27383
 しばしそうして貪り続けていると、穢れの濯がれたペニスからは新たな味わいが生じていた。
 舌先や頬の粘膜が痺れるような腺液の苦みが漂い始めると、その刺激に夏海も正気に戻る。
 そこからも依然として奉仕の手を休めずに配達員を窺いみれば、

『あ……マズいです、俺もう……ッ』

 苦痛とも取れない表情に眉を歪ませた彼が、懇願の視線を夏海の眼差しへと返していた。
それを受けて口中の体液をいったん飲み干すと、夏海はようやく唇からペニスを開放し、そこから配達員を見上げた。
 口での奉仕は止めつつそれでも、唾液で滑りを帯びた筒身を右掌でしごく動作を繰り返す夏海は、

「イキそうなのね? このチンポからミルク出るのね?」

 鳴らすように鼻息を荒げては、犬よろしくに舌根を吐き出して期待に満ちた視線を配達員に向ける。

『うわぁ……奥さん……』

 そんな自分を見上げてくる夏海の表情に――その、下瞼を弓なりに押し上げては上目を剝く浅ましいまでの笑顔に、配達員は心底から夏海を軽蔑した。
 目の前にいるのは人でも女性でもない、ただの発情した『雌』に他ならなかった。
 そんな浅ましいまでの下卑た姿には哀れみを覚えると同時にまた、ならば物扱いに思いの丈をぶつけてやろうという攻撃的な男心もまた強く刺激されていた。
 そんな情欲に心駆られるまま、

『オラ! 咥えろババア‼』

 配達員はこれまでの主従の態度を一変させるや、夏海の後ろ頭を両手でワシ掴み、一思いにその口中へとペニスの再挿入を果たした。

「ッッ、んぐぶぉえぇぇぇぇぇ……ッ‼」

 その突然の挿入に強く口蓋垂を圧迫され、夏海は強い窒息と嘔吐を催しては苦しみに滲んだ呻きをあげる。
 規格外の大きさを誇るペニスは口中を満たすだけに留まらず、その先端を食道にまで伸ばしては夏海の呼吸を止めた。
そしてそれを皮切りに、夏海の顔面を性器に見立てた無慈悲な往復が敢行される。
 傘の大きく花開いた亀頭は押し込まれてから戻る際に強く喉の粘膜を刮(こそ)ぎ、

「んぶふぅッ、んぶうぅッ……ぐぶえぇぇぇ……ッ!」

唾液やペニスからの粘液によって密閉された口中は、一突きごとにそこに残っていた空気を夏海の鼻腔や口の端から吐き出させ、やがてペニスの往復する咽頭は完全なる真空と化す。
 引き抜くごとに食道はペニスの形になって筒身に貼り付き、斯様な状態の咽頭は得も言えぬ肉のうねりを以て配達員のペニスそれをしごき続けた。
 そんな肉の玩具と化した夏海の口の中で、配達員はこの日最初の絶頂を予期して肛門を収縮させる。

『おおぉぉ、イキそうだ。ババア、イクぞ? 淫乱には特性ミルクをご馳走してやるからな‼』

 夏海の両頬をワシ掴んで自分へと視線を剥かせると、もはや失神の体で視軸の定まらぬ彼女へと自身の絶頂を伝える。
 そして夏海の柔らかな鼻先が畳まれては潰されるほどに腰を打ち付けると次の瞬間、

『うおぉッ……出る! 小便みてぇに出るぞ、ババア‼』
「んむッ⁉ んむぉぉぉぉぉぉ……ッッ‼」

 食道の奥底から直接に胃へと流し込むかのよう、配達員は夏海の喉の奥深くで射精を破裂させた。


[6] Re: 挿入捜査官・夏海  :2020/01/16 (木) 22:05 ID:LjoiDqVI No.27384
 胸の奥で鉛の球が生じたかのような違和感と同時、それは焼かんばかりの灼熱感を伴って胃へと降りていき、ついにはそこへ重く沈む。

 以降も射精は続けられ、完全に口中をふさがれた夏海は辛うじて鼻腔から笛の音のように鼻息を鳴らしながら喘ぐように呼吸した。
 しばしの射精の後、ようやく脈打つペニスの蠕動が止まった。
 同時に僅かながら硬度を緩めたペニスは一回りその肥大化を縮めることで、蛇が這い出るかのようさながらに、夏海の喉から引き抜かれるのであった。

「んぶぉッ……あ、あぁ……んあぁぁぁ……ッッ」

 喉の真空が解放され大きく息を吸い込むと、口中に残っていた精液の残滓は途端に栗の花の香に似た青い臭気を呼吸器に擦り込んだ。
 酸欠に陥っていた脳に新たな酸素と精液の臭いとが充満すると、その臭いに充てられて夏海は失禁する。絶頂を果たしたのだ。

「せいえき……ザー、メン……チンポぉぉ………ッ」

 上目を剥いてたわ言の様に隠語を繰り返す夏海にはもはやまともな思考は保てていない。
 ただ絶頂にあるままに、快感と本能が赴くままに右手を翻すと、夏海は迷いなくそれを今しがた失禁に濡れた股間へと当てた。
 そこから押しつけうように掌を捏ねくると、周囲の目などおかまいなしに自慰へと興じる。

「お、おぉッ……マンコ、気持ちいいわッ。ザーメンの臭いをオカズにするオナニー、最高よぉッ」

 依然立ち膝のまま、男子小児が用を足すように両手で股間をまさぐり続ける夏海。
 ふくよかに脂肪を蓄えて盛り上がった恥丘の中央には、尻の割れ目と同化した膣のスリットが大きくそこに裂け目を生じさせている。褐色に色素を沈着させた陰唇のひだが、無秩序に掻き回す夏海の指先に引きずり出されている姿は、酸欠の蛤が呼吸管を吐き出している様にも似ていた。
 そんな夏海の傍らに、

『へへ……なら、もっとオカズを付け足してやるぜ?』

 下卑た笑みを浮かべながら配達員が寄り添った。
 すでに作業着のすべてを脱ぎ捨てて、社章のロゴが刻まれた帽子だけといういでたちで半勃ちのペニスを夏海の眼前に晒す。

「まだチンポの管の中に精子残ってるからなあ。吸い出してキレイにしてくれよ」

 そう声をかけるもしかし、そんな配達員からの言葉が終わらないうちに夏海はそこへと食いついていた。
 首をかしげるようにして顔を水平にし、さながらイルカが海上へと跳ねるよう頭を翻してはペニスに食いつく。その、本能にかられる姿はもはや海獣以外の何物でもない。

 幾度となく頬を窄め膨らませを繰り返しては吸い付いていると、配達員の言葉通り尿道やその奥底の会陰に残っていた精液の残滓は、ストローでコップの底をさらうかのよう音を立てて夏海の口中に吸い上げられて来るのだった。

 もとより規格外の大きさに加えて、若い生産力を宿したペニスとあっては、残滓といえども常人の射精一回分に相当する量が残されていた。
 それを一滴として残らずに吸い上げると、夏海は吸い付けた唇で大きく舌打ちをして亀頭を開放する。
 そうして口中に留まった精液を舌先で転がす。強い粘性を帯びたそれは、液というよりはむしろゼリー状の固体に近い弾力を持って、夏海の口中を滑らかに滑り泳ぐ。

――すごいわぁ、こんなに濃い精液なんて初めて。あの人のとは全然違う……

 そんな配達員の精液に、ふと夫のことを思い出しては夏海も正気に戻る。そしてすぐにその考えを頭から振り払った。

――何を比べているの、あなたは! あの人の価値や私たちの愛がこんなもので比べられる訳ないじゃない!

 自責の念から自身を強く叱責すると、改めて夏海は今の自分の役割を思い直す。

――海原夏海のことは考えてはだめよ……いまのあなたは淫乱痴女なんだから。『このこと』以外には何も考えられない雌豚なのよ。

 そうして徐々に痴女たる役割を取り戻す。

――さあ、見せつけてやりない。恥知らずなあなたの本性を!

 そうして完全に今の自分を取り戻すと――夏海は配達員を見上げては大きく口を開いて見せた。


[7] Re: 挿入捜査官・夏海  :2020/01/16 (木) 22:06 ID:LjoiDqVI No.27385

『お、なんだ?』

 それに興味を惹かれ、座り込む自分に屈みこんでくる彼へと夏海は歯を食いしばり、いの字にした口元を晒す。
 そしてその意図を計りかねて首をひねるばかりの配達員を前に、夏海は歯牙の内より口中の精液を舌で外部へと押し出した。
 肉の焼ける響きを思わせる滲んだ水音が響き渡ると同時、歯間から押し出された精液は即座に撹拌されて、食いしばる夏海の口元をたちどころに泡だらけとした。

『うおッ、汚ねぇ! なんだよ、ババアそれ?』

 そんな突然の奇行に驚いては蔑みの言葉を吐きつけてくる配達員を前に、それでも夏海の行動はぶれない。
 存分に泡立てられた精液それを、口中から突き出した長い舌先で弄びながら唇に塗り伸ばしていくとさらに唇を絞り上げ、自分のだ液とも混ぜ合わせたそれを両手の杯の中に吐き出していく。
 斯様にして精液の泡が貯められた両手を合掌させ、化粧水を扱うかのよう両掌の中で練り合わせると、きめ細かなクリーム状となったそれを左右それぞれの乳房へと塗りたくっていくのだった。

「んおぉ……ザーメン気持ちいいわぁ。体の隅々までこの臭いで満たされたいのぉ……」

 エプロンの胸当て部分を引き絞っては細めると、それを脇からはみ出した左右の乳房で挟み込む。そうして露わになった乳房を諸手ですくい上げ、段になるほどに膨らみを持った乳輪と乳首それらを夏海は自身で咥え取る。
 斯様に乳房を嬲りながら、右手はさらに下降していき――

「ここにもザーメンが欲しいのわぁ……いっぱいいっぱい飲みたいのぉ」

 そしてエプロンの前垂れを焦らすようにゆっくりと持ち上げると、その下にて放尿の如く愛液を滴らせた膣を配達員の前に露わにするのだった。

『すげぇマンコだな………』

 目の前の光景に配達員も生唾を飲み込む。
 両踵を合わせ、つま先立ちになって開脚する夏海の膣部たるや圧巻の一語に尽きた。
 段になった下腹部の皮下脂肪のその下で、熱に蒸れて盛り上がった恥丘を縦に裂くスリット——そこからはみ出た陰唇を伝い、足元の床には愛液の液溜が作られている。
 そんな膣をあられもなく自分で拡げ、

「お願いできるかしら?」

 膣口の間口から、凝縮された柔肉の鮮望を覗かせた瞬間――配達員の体に再び火が灯った。

『このやろう……恥ずかしげもなく年増のババアが挑発しやがって』

 近づかれ、荒々しく左の乳房を握りしめられると夏海はバランスを崩して背後へと尻もちを着く。
 そんな夏海に起き上がる隙すら与えずに両足首を握りしめたかと思うと、

『年甲斐もなく妊娠させてやるよ、ババア』

 配達員は手にしたそれらを釣り上げては、夏海を台所の床へと仰向けに寝転がす。
 そして無防備に開脚された股座へと亀頭を誘導させ、
『くらえオラァ!』
「んぃッ……くひぃぃいいいいんんッ」

 前戯などは一切無しに、配達員は欲望の限りに屹立したペニスを夏海の膣(なか)へと挿入してしまうのであった。
 一息で根元まで挿入されると、亀頭が激しく子宮口を押しつぶす感触に夏海は胸元をのけぞらせた。

「おッ……お゛ぉ………ひどいわぁ……いきなり、全部、入れるだなんてぇ……」

 細長く唇を縦に開いては、刹那にして全身を駆け巡ったオルガスムスの余韻に身を痙攣させる。

『こんだけダラダラにマン汁もらしといて、今さら前戯もクソもいらねぇだろ淫売が?』

 一方の配達員もまたペニス全体を包み込んでくる膣の肉襞の、沁み込んでくるかのような熱と粘膜の快感に耐えていた。
 しばししてそんな波も体の中を過ぎ去ると、

『ふぅ……。それじゃ本格的に子作り始めるか?』

 上半身を乗り出して夏海の上に重なり、自分の胸元をその下の乳房に押し合わせた。


[8] Re: 挿入捜査官・夏海  :2020/01/16 (木) 22:07 ID:LjoiDqVI No.27386

「あ、あぁ……ダメよ、それだけは許してぇ。もうこんな歳になって赤ちゃんなんて産めないわぁ」

 そんな配達員の重みを感じながら一向に危機感の無い抑揚で応えてもしかし、『妊娠させる』と脅してくるその文句に夏海は強く興奮してもいた。

『なら絶対(ぜってー)に妊娠させてやるよ……』

 配達員は地に踵をつけて両膝を上げると、空気椅子の様に宙に浮かせた尻を持ち上げてはゆっくりと膣の中のペニスを引き抜いていく。
 そして、

『こっぱずかしいボテ腹さらして、笑いものになりやがれ淫乱が!!』

 振り子のように尻をしならせると次の瞬間、またも根元まで配達員のペニスは深々と夏海の子宮を突きえぐった。

「ひぃッ!? えぐぇぇぇぇええええええええぇッッ」

 自身の体重と、さらには存分にしなりと勢いをつけて突き出されたその一撃に、再び夏海は絶頂をしては苦しみに滲んだ声を上げた
 その一刺しを皮切りに、以降はリズム良く配達員のペニスが膣を突き崩していく。
 身動き一つ取れぬほどに抱きしめられては上半身を拘束されているというのに、依然として夏海の膣を突き続ける腰元は、まるで別個の生き物のように尻をしならせて挿入を力強く往復させる。
 若さゆえの柔軟性も然ることながら、夏海を驚かせたのはペニス自体の硬度であった。

「うぁん! んぉんぅ! す、すごいわぁ……二回目なのにこんなに硬いだなんてぇ!」
『へへ、そんなに気に入ったか? どうだァ、自分の旦那と比べてみて?』

 ふいにそんな言葉を浴びせられて、再び夏海の脳裏には夏の陽炎のように夫の面影が蘇った。
 途端に、

『うおッ!? 急に締めつけてきやがるぜ』

 夏海の体は反応した。
 比べるべきことではないと理性の内では説得していても、現に肉体を突きえぐる快感に晒されているとあっては否が応にも、体はこの二人の男を膣(にく)の内で値踏みしてしまう。
 そして無意識のうちに夏海から絞り出された答えは――


「お、おぉッ……カスよ! あなたのチンポに比べたら、あいつの粗チンなんて生きる価値もないわぁッッ!!」


 声の限りに絶叫しては、唯一無二の想い人を夏海は穢していた。
 もちろん演技である――本心からの言葉ではない――夫はこの世で一番に愛してやまない男性(ひと)であるのだ―――そんな想いが嵐のように心の内を駆け巡る中それでも夏海の顔は、

「あなたぁ、私もう離婚するわ!」

 嗤(わら)っていた。

「だってこんなチンポを知ったら、もうあなたなんかのチンポでイケるはずがないもの! あんな老人セックスなんてもうゴメンよぉ!!」

 声高らかに罵倒しては、夫を侮辱した。


[9] Re: 挿入捜査官・夏海  :2020/01/16 (木) 22:09 ID:LjoiDqVI No.27387
『ぎゃははは、ひでぇ言いようだな。そんなに情けねぇのか、あの旦那は?』
「そうよ! 昨日だってセックスしたわ! でもあの粗チンときたら二回が限界なのよ!? それだって無理矢理ふにゃチンを勃たせて鼻水みたいなザーメンを漏らしてたわ!!」

 夫を侮蔑し、眉間に険を籠めて笑う夏海――しかし見開く瞳からは止めどもなく涙が溢れていた。

「あんなチンポとまたセックスするくらいなら死んだほうがマシだわ! だから殺して!お願いよぉ、私を殺してぇ!!」

 声の限りに叫んでは強く配達員を抱きしめる。
 それを受けて配達員もまた、

「おう、それじゃ望みどおりに殺してやるよ! 旦那騙して若い男つまみ食いするような売女は死んで詫びろ!!」

 今まで以上の速さと力強さを以て夏海の膣を突きえぐいた。一連のやりとりに、強く『他人の妻を寝取る』ことを意識した配達員もまた、我を見失うほどに興奮しては今の行為に没頭していく。
 体重をかけたそんな一突きが亀頭の先端で子宮口を押しつぶすごとに、

「おぉ! ンおぉお!! んぉごぉおおおぉんんッッ!!」

 夏海は野太い声を上げて快感に打ち震える。その声が正午の台所に響き渡る様は、屠殺場の風景さながらのようですらある。
 その中において、限界を先に迎えたのは配達員であった。

『お、おぉ……イクぞ。マンコに精子ぶちまけるぞ……!』

 来るべき射精の瞬間を予期しては、ペニスに意識を集中させる。
 長いストロークで茎全体を出し入れしていたピストンが、浅く素早いものに変わって忙しなくなる様は、絶頂を得ようと躍起になる配達員の心中を反映しているかのようであった。

「あおぉぉッ! いいわ……きてぇ! あなたの若くて活きの良い精子をはやく私の子宮に泳がせてぇぇッ!!」

 それを受けて夏海もまた抱きしめる両腕に力を籠める。受精を意識した体は、一瞬にして絶頂の間際へと熱しあげられていた。

『お、おおおぉぉぉぉぉッッ!!』

 ラストスパートとばかりに、テクニックも相手への気遣いもかなぐり捨てた配達員の欲望(ピストン)が夏海を責め立てる。
 そして一際強く、奥深くにペニスが突き刺さった瞬間――配達員は射精を果たした。

「んひぃぃぃ! いやぁあああッ! おマンコの、一番奥で出されてるわぁぁッ!!」

 染み入るようなその灼熱間に夏海もまた声を上げては絶頂する。
 鼓動に合わせるかのようペニスは尿道を太く波打たせては、深く結合した子宮口の奥へと直接に精液を流し込んでいく。

「あ、あぁ……んはぁぁぁああああ……ッ」

 しばし体を密着させたまま射精を続けていたペニスではあったが、その間隔が緩慢になり放出も終わりかと思われた頃、配達員はゆっくりと腰を上げた。
 まだ十分に硬度を保ったペニスが、その筒身の周りに体液の泡をまとわりつかせたまま夏海の体外へと引きずり出される。
 そしてそこから、

『んぎゅオッ』

深く再び、配達員はペニスを突き入れる。
その衝撃に押し出され、尿道からは第二波となる射精が噴き出しては夏海の膣の中で熱く渦巻いた。

「おぉん……んおほぉぉ……す、すごいぃ……ホントに、妊娠、しちゃうぅ………!」

 快楽の余韻の中で、灼けつくような精液の奔流を膣に感じながら、夏海はうわ言の様につぶやき続けては見開いた瞳の面(おもて)に笑みを浮かべた。


[10] Re: 挿入捜査官・夏海  :2020/01/16 (木) 22:10 ID:LjoiDqVI No.27388
 やがては夏海から離れ、

『ふう〜……思い知ったかクソババア? 年甲斐もなく火遊びなんかするからそうなるんだよ』

 尻もちを着いては罵倒する配達員ではあったが、口角の方端を吊り上げる笑みには充実感に満ちた余韻が見て取れた。

『あ〜、俺もハッスルしちまったぜ』

 そう誰に言うでもなく言(ご)ちては仰向けに寝そべる。しかしながらそんな休息も束の間のものであった。
 寝そべっていたペニスの一点に灯火が生じるよう暖かさが発生するのに気づくと、配達員は首を起こして自分の体を見下ろす。
 何かと思い視線を巡らせるその先には、

「ん、んッ、んんぅ……っぷはぁ。もっとよぉ……もっともっと愛してぇ」

 両足を投げ出して寝そべる自分の股座に乗り上げては、ペニスの汚れを口唇にて掃除する夏海の姿があった。
 憑りつかれたようにペニスへと舌を這わせて尿道を吸い付ける夏海の浅ましさにげんなりするも、ねもころに施されるその奉仕にペニスは主の意に反して鎌首を持ち上げる。
 しばし口中で舐めつくしているとやがては再び勃起を果たし、ペニスは先と変わらない硬度を取り戻しては反りも鋭くに屹立した。

「あぁん、素敵よぉ。また私のババアマンコを慰めてちょうだい」

 その復活に瞳を輝かせては自分の上そこへまたがる夏海を見上げながら、それでも配達員の反応は肉体に反し冷ややかだった。
 無理もないと言えた。立て続けに二度の射精を果たした後である。
 今の勃起とて、夏海のフェラチオによって海綿体内が充血しただけの『生理反応』であり、それは性的興奮によって喚起されたものではない。

『ちったぁ休ませてくれよ。俺は寝てるから、好きにそいつで遊んでな』

 ついには後ろ頭で両手を組むと、配達員は深々とそこに首を沈めて天を仰ぐのであった。

「いいわ、勝手に遊ばせてもらうもの。ねー、チンチンちゃん?」

 一方の夏海もまたそんな配達員のいけずに鼻を鳴らすと、再び手にしたペニスの亀頭を膣口に宛がう。
 そして、

『んぉぉう! ッ……はぁぁぁ。何度食べても素敵よぉ、チンチンちゃぁん……』

 今度は騎乗位に接合しては、再度迎え入れたペニスの感触に頬を緩ませる。
 内ももを地へ着けるようにして座り込み、さらには添えた両手を組み敷く配達員の腹筋の上へ置いては上下に運動をする夏海。
 先ほどまでの力強いピストンではないものの、自重をかけてペニスに子宮を押し付ける今の接合もまた、趣の違った快感が夏海には感じられた。

「はぁぁ……んうッ。気持ちいいわぁ……チンチンちゃんの当たる場所がさっきと違って……すごい良いわぁ」

 上下に体を揺さぶると、乳房はもとより皮下脂肪を蓄えた下腹部もまた波打った。
 加齢に伴い張りの失われつつある肉体ではあるがしかし、各所の肉付きは油の詰まった水風船を彷彿させるような弾力を宿しては、若い頃にはなかった熟女の円熟さもまた夏海はそこに充実させていた。
 そんな波打つ肉の躍動感と淫乱痴女の組み合わせは、下から見つめる配達員にも再び刺激を与える。
 そして、

「はぁはぁ……気持ちいい? おチンチンちゃん、気持ちいい? おばちゃんも気持ちいいわぁ。いつでもまた、おばちゃんの中にザーメン吐き出してちょうだいね」
『――へへ、お前のゆるマンじゃ気持ちよくねぇとよ』

 ふと配達員はそれに応えては、目の前の痴女がどのような反応をするかを楽しもうとする。
 一方で依然として腰を動かし続ける夏海も、

「まあッ?」
 そんな返答に眼を丸くさせた。


[11] Re: 挿入捜査官・夏海  :2020/01/16 (木) 22:11 ID:LjoiDqVI No.27389

「なんて無礼なチンポなのかしら? ご主人さまと同じで生意気ねッ!」

 そうして芝居がかった様子で憤慨してみせる夏海ではあるが、どこかイタズラっぽい笑みを忍ばせた表情と声の調子からは、そのことに夏海が怒っている様子は窺えない。
 しかしながら一際強く腰を下ろすと、夏海は深くため息をついて動きを止めた。そして依然としてペニスを膣内に留めたまま両踵を地について膝を立てると、夏海は配達員の上で居住まいを改めた。

 そこからさらに腰を上げ、完全に膣からペニスを引き抜いては半身を翻すと、見上げる配達員に背を向けるようにして体位を取り直す。

「こんな生意気なクソチンポは、それにふさわしい場所でお仕置きしてあげるわ」

 両腿が水平になるよう膝を曲げ、その上に両手を被せては上半身をいからせる夏海。そして首だけ振り返らせる肩越しに、いわくありげな笑みを見せたかと思うと――夏海は肉付きの良い臀部を跳ね上げた。
 突き出される谷間の奥底には、色素の沈着した肛門の姿が露わとなっている。尻肉の自重に潰されて横一文字に肛門を結んだその様は、さながらアナルそこが微笑んでいるかのようにも見えた。

『お、おい……まさか……』
「あら、気付いたかしら? でも私を怒らせたあなたとチンポが悪いのよぉ。このババアのクソ穴の中でしっかり反省なさいッ」

 UFOキャッチャーのよう、屹立した亀頭の先にアナルを誘導したかと思うと次の瞬間、

「んぉぉぉぉ……ほッ!? きたぁぁあんんッ!」
 見る間に夏海は腰を下ろし、そのペニスを中頃までをアナルの中に飲み込んでしまうのだった。
 口や膣だけでは飽き足らず、ついにはアナルまでも使いこなしては三穴制覇を果たす夏海の淫乱ぶりたるや目を見張るものがあった。
 とはいえしかし、

――痛いぃ……! こんなに、生身でするお尻って痛かったのッ?

 その内心で夏海は悲鳴を上げていた。
 甘く見ていた……日常においてそこそこの大きさの大便をひり出すに、アナルセックスも容易くこなせるであろうと夏海は自身を過信していたのだ。
 そもそもが平素日頃における夫との性生活においてもこの部分を使ったことはない。いわばアナルセックスの初体験を今、夏海は前戯も無しに経験しているのである。体が悲鳴を上げるもの当然といえた。
 そして悪いことはさらに重なった。

『へッ……なら、お詫びにお前の便秘治してやるよババア』
「ひぃ……ッ!」

 配達員が復活した。
 依然として夏海が背を向け続けるその背後から両手で尻の房を握りしめたかと思うと、そこから力づくに引き寄せて残りの挿入を再開させた。

「あ゛ッ、お゛ぉ……ッ⁉ ま、待って……ちょっと待ってぇ……!」

 みちりみちりと筋組織の裂ける音と感触が頭の中に響く。伴って鋭い痛みもまた体を突き抜けると、夏海は演技ではない悲痛の悲鳴を上げた。
 しかしながらそれは配達員には届かない。
 それどころか、

『なんだぁ? ゆっくり焦らして感触楽しもうってのか』
 痴女たる夏海がアナルの感触を楽しんでいると勘違いする始末。

『だったら今度は俺が動いてやるよ。そのまま尻を固定してろよ?』
「ま、待って! 本当に……んぉッ⁉」

 突如として挿入が強行されていたペニスが下へと抜け落ちた。その急激な喪失感に、排泄にも似た感覚を覚えては夏海も声を漏らす。
 そうして次の瞬間、

『しっかり味わえよ、ババア!』

 配達員の腰が跳ね上がった。そしてその勢いのままに、ペニスもまた突き出されると、亀頭は鋭くも重く夏海のアナルを貫いた。


[12] Re: 挿入捜査官・夏海  :2020/01/16 (木) 22:13 ID:LjoiDqVI No.27390

「ひぃッ!? ッッ〜〜〜〜〜んぎゃあああああぁぁぁぁッッ!!」

 それを受けて夏海も吠えた。
 快感などではけっしてない。当然、激痛に苛まされてである。
 そしてそれを皮切りに、配達員の腰は陸に釣り上げられた魚よろしくに跳ね続けては、幾度となく夏海のアナルを突き上げた。

『おらおらおらァ!!』
「ぎッ! いひぃッ! んお゛ッおぉー!! 痛いぃぃぃッッ!!」

 相撲の四股の様に膝を曲げて身を屈めている体勢に加え、背後から尻肉も両手でワシ捕まれているとあっては夏海も逃げることが叶わない。しかしこのまま倒れて配達員の上に身を預けようものならば、今以上の責め苦に身を晒すことになる。
 となれば、いま夏海に残された逃げ道はこのまま『耐える』他に無かった。配達員が絶頂し、この暴挙の手を止めてくれることにしか現状を乗り切る手段はない。

――お願い……早く終わってぇ!

 ゆえに夏海は首をうなだれては、ただひたすらにこの仕打ちへ耐える。
 下唇をかみしめると、無意識に括約筋が力んではペニスを締めあげる。締め付けてまとわりつく肛門はペニスとともに引きずり出され、唇の様に外部へと細く伸びる。
 しかしながら斯様な出し入れにほぐされ、さらにはペニスから溢れる腺液の手伝いもあって潤滑がスムーズになってくると、

「お゛ッ、おぉ!? ッ、ッッ………ッんはあぁぁッ」

 夏海にも変化が現れていた。
 挿入の際に亀頭のカリ首がぬめりを帯びて腸壁をこそぐ感触と、さらには引き抜かれる時の喪失感と排泄感――それらを意識して感じ始めると、たちどころにアナルでの感覚は快感へと傾きだしたのである。

――あれ……? これ、気持ちいい? 痛いのに、気持ちいいの?

 そんな自分の肉体の変化に戸惑いながらも、リズミカルに括約筋の締め付けをコントロールしたり、はたまた引き抜かれる際には自らも力んで擬似排泄を楽しむ頃には――

「んおッ? おおおッ! ……気持ちいいわッ! ケツ穴でのウンコセックスも最高よぉッッ!!」

 夏海はすっかりアナルセックスの虜となっていた。
 四股を踏みしめる両ひざの上に肘を置き、さながら洋式便座での排泄のような姿勢となって身を屈めると、

「んあぁぁッッ! すごいわぁ、ずっとウンコしてるみたいよぉ」

 夏海もまた突き上げてくるピストンに合わせて尻をしならせる。挿入のたびにアナルの淵からは、行き場を失った空気が放屁となって歓喜の歌を奏でていた。

『おいおい、そんなに屁ぇして大丈夫か? 本当にウンコしだすんじゃねぇだろうな?』

 からかいながらもしかしアナルセックスへの嗜好が強いのか、興配達員は目の前の夏海のその痴態に強い興奮を覚える。
 そしてそんな配達員からの言葉に、肩越しから一瞥くれると――夏海はそれに応えるよう、なおさらに尻を突き出しては細く長い放屁を意識して出した。
 そんな、女性にはあるまじき恥知らずの無礼を働きながら見下ろしてくる目は、

「んふふふ……ごめんあそばせぇ」

 浅ましく、そして妖艶に嗤っていた。
 それに中(あ)てられて配達員の胸の内にも、過度の興奮からくる不整脈が湿った鼓動を生じさせる。
 斯様にして射精の快感を予期する期待感はなおさらにアナルセックスの意欲を高め、

『上等だクソババア! このケツで二度とウンコできねぇよにしてやるぜ!!』

 突き上げる配達員のピストンはなおさらに強く、そしてせわしなくなっていった。射精が近いのだ。
 そしてそれを感じ取って夏海も、

「ん、んぅぅッ! ……あら、出来るかしらぁ!? 毎日ぶっといウンコして鍛えてる自慢の肛門ですもの。あなたのクソチンポなんか返り討ちにしてあげるわッッ!」

 ラストスパートとばかりに括約筋をうねらせては、配達員のペニスそれをしごき上げる動きを強めていく。


[13] Re: 挿入捜査官・夏海  :2020/01/16 (木) 22:14 ID:LjoiDqVI No.27391

『おらおらおらァ、死ねババア死ねぇ!!』
「ほおおぉぉぉッ、死ぬぅ! ケツ死ぬぅッッ!!」

 互い絶頂に向けて快感を貪りあうと、打ち付ける配達員のペニスと腰をしならせる夏海のアナルとは、互いがより深くに結合できるように動きを同調させていく。
 その中で、

「あ、あああぁ………もう、ダメぇぇぇぇぇ……ッ」

 夏海が絶頂を迎える。
ついには力尽きて配達員の腰元に尻もちを着くその下で――

『ケツの中に出すぞ! ケツで妊娠しやがれクソババアぁ!!』
 配達員もまた最も深く結合したそこから、

『うぐおぉぉぉぉ……ッッ!!』
「ッッんぎぃぃぃぃぃぃぃいいいいいぃぃッッ!!」

 夏海の直腸奥深くへと激しく射精を果たして尽きるのであった。

「んおぉおッ……熱いぃ……ケツが灼けちゃうぅ」

 柔らかい夏海の重さを感じながら見上げるそこには――大きく体を仰け反らせては、顎を天高くにつき上げて余韻に身悶える彼女の姿が確認できた。
 そしてそれを見届けると配達員もまた大きくため息をついた。

『はぁはぁ……クソ、しばらく動けねぇぞ………化け物ババアめ』

 悪態をつきつつも完全燃焼しきった感の漂う配達員からはしかし、その言葉の持つ悪意など微塵として見られない。久しく味わうことのなかった充足感に包まれては、それを施してくれた夏海に感謝をしているようですらあった。
 しかしながら、

「ん、んんぅ……くふんッ」

 夏海は動いた。
 依然として背を向けたまま、再び両膝を立てる居住まいに直ると、膝頭に両掌を置いては引き抜くように体を起こしていく。
 その上昇にすっかり脱力して委縮したペニスが抜け落ちると、夏海は直腸の中の精液を漏らさぬよう、一際に肛門へ力を込めては上体を起こす。
 そうしてアナルセックを果たしていた時と同じよう、四股を踏んでアナルを配達員に差し向ける体位になると大きく息をついた。

『な……なにするつもりだよ、おい?』

 そんな目の前の夏海に不穏な気配を感じては、配達員もおずおずと尋ねて身じろぐ。
 嫌な予感がした……ゆえにそんな夏海の下から逃げようと試みるも、3回のハードセックスの後とあっては震える足腰に力が入らない。

 やがては見守り続ける中、夏海はその姿勢から両足の間に頭を埋めるようにして上半身を畳むと、そこから両足首をつかんでは新たに体を固定する。その体位に伴って、件の半笑みアナルがこちらを向いていた。
 そしてその綻んだ口元が内から盛り上がり、真円に形を変えて僅かに間口を開いたかと思うと――弾けるよう水音を破裂させては直腸内の空気を外へ押し出し始めた。

『お、おい! マジかよ!?』

 その光景に最悪の結末が配達員の脳裏をよぎる。
 それでもしかし、無数に精液の泡を破裂させては飛沫をまき散らす夏海のアナルに配達員も眼を離せずにいた。
 やがては徐々に吐き出す空気の勢いが萎んでいき、か細く長い放屁が押し出されて直腸内が真空になった次の瞬間、

「私の恥ずかしいところをよく見ていってねぇ………あ・な・た」

 肛門からは蜘蛛の糸さながらに、精液が細い筋となって噴き出した。
 それは直線に飛んで配達員の胸元に着地すると、周囲に飛沫を飛び散らしては見る間にそこへ白く盛られていく。


[14] Re: 挿入捜査官・夏海  :2020/01/16 (木) 22:15 ID:LjoiDqVI No.27392

「んうッ! んうッ! よく見るのよ!? 私のザーメンウンコするところを、よく見るのよぉッッ!!」

 豊満な腹部が絞られるほどに、夏海は渾身の力を直腸に込めてはその中のものを全てひり出そうと躍起になる。
 ついには開いた膣からは子宮にたまった精液と、さらには膀胱の中の尿に至るまで夏海は配達員へと浴びせかけていく。

「おぉおおおお! 気持ちいいわッ! ウンコもションベンも、ザーメンも愛液も、全部出しちゃうんだからッッ!!」

 声高に叫んでは、禁忌を破る排泄の快感それに絶頂して打ち震える夏海――もはや今この場に、心優しい家族思いの淑女などは微塵と存在はしていなかった。
 やがては膣と尿道からの排泄が止み、アナルからの噴出も徐々に小さな弧を描いては勢いを落としていく。
 肛門は牡丹の蕾のような真紅の直腸内壁を外にはみ出させると、一滴として吐き出す物がもう無いことを打ち震えて知らせた。……ようやく夏海の排泄が終わりを迎えたのである。

「んふぅ〜………」

 依然として中腰を浮かせた姿勢のまま、トイレにて局部を拭き清める時のような仕草で股ぐらに右手を差し込むと、夏海は手の平でアナルから膣に至るまでの一本道を大きく拭っては、その掌に貯められた精液その他を口に運ぶ。
 そうして口中のそれを弄びながら振り返り、改めて目下の配達員を確認すれば、

『……………』

 そこには、自分と夏海の体液にすっかり埋もれては放心状態となった彼がか細く息をしているのが窺えた。
 その姿にさも愉快そうに微笑むと、夏海は両膝をついてそこに屈みこむ。
 そして互いの鼻先が触れ合うまで顔を近づけては、


「こんなにいっぱいミルク出せるだなんてスゴイじゃない? なかなか優秀な雄牛よ、あなた」


 もう一度微笑んでは深々とキスを交わす。
 その後は配達員の上にまき散らした精液を一滴残らず吸い尽くしては、再び新たな行為に興じるのであった。


[15] Re: 挿入捜査官・夏海  :2020/01/16 (木) 22:17 ID:LjoiDqVI No.27393
数時間後────


 生後間もない仔馬のような足取りで、右に左にとよろけながら配達員は帰っていった。
 そして台所には……

「お、んおぉ……!? おぉ……!」

 床に液溜まりができるほどの精液にまみれた夏海が、絶頂の余韻に痙攣しながら仰向けに寝ていた。
 徐々に覚醒しては意識もまた定まると、夏海は荒い呼吸のまま緩慢に首だけを動かして周囲の状況を確認する。
 すでに配達員の姿は無かった。どうやら逃げられたらしい。
 あの後も二人はまぐわい続け、さらに6発の射精を搾り取ったところで幕となった。

「…………」

 肉体から熱が引き、しばしそのまま茫然として過ごす夏海は、自分でもその落下感が分かるほどに心が沈んでいくのが分かった。

 罪悪感である。

 一連の不貞行為も然ることながら、何よりも夫を罵倒し、あまつさえそれをさらなる享楽への肴にしていたことへの罪悪感が夏海の心をとらえて離さなかった。

「あぁ……あなた、ごめんなさい……」

 両手で目頭を覆ってはさめざめと泣いた。
 しかしながら、

「………でも、収穫はあったわ」
 大きく鼻をすする夏海の瞳には力強い光もまた宿っていた。

「『奥さん』、『あの旦那』……」
 天井の蛍光灯を見上げながらつぶやく――それらは行為の最中にあの配達員が口にしたものであった。

「おかしいわ……だって、この家に住む本物の痴女さんは『独身』ですもの」

 その事実と配達員の言葉とは互いが矛盾をしていた。加えてそれを口にした時の配達員の口ぶりからは、その『旦那』とやらが何者であるかを知っていることもまた伺えた。

「独身女性の旦那さん、痴女、組織………」
 呟く夏海の思考は、おぼろげながら確信に近づきつつある。
 しかしそれも、

「……あぁ、だめだわぁ。情報が足りない」
 そこまでであった。

 いかに夏海自身が確信を得たからといっても、所詮は推測に過ぎない。大切なのは情報であり、この推測を確証たらしめるべき証拠であった。

「でもいいわ、捜査は始まったばかりですもの」
 改めて潜入捜査官としての自分を取り戻す。

「痴女でも淫乱でもかまわない……私は何としても真相に行きついてみせるんだから」
 そうして意欲も新たに情熱を滾らせる夏海。
 しかしそれと同時に、今の体液まみれの自分にも気づいて夏海はため息をつく。
 そうしてとりあえずはシャワーでも浴びようと立ち上がりかけたその時、

「ッ!? くひぃぃぃんッッ!」

 下腹部に力を込めた瞬間、膣や肛門に溜まった精液が一斉に噴き出す感触に絶頂しては声を上げた。

「お、おぉ! んおぉぉ……ッ!」

 腹腔の中にはあの後に搾り取った新たな精液が、膣に3発・直腸に3発分詰められてる。
 疲労と絶頂からくる自律神経の失調によって、もはや夏海にはそれらの排泄をせき止められる体力すらもない。
 為す術もなくそれらを輩出し終えると再び仰向けに、夏海は精液の液溜まりへと沈み込んだ。

「あ〜……大丈夫なのかしら、この先?」

 立ち込める青い匂いと身を滑らせてきしませる精液の触感に身をゆだねたまま――自身の前途を案じては、夏海も深く大きくため息をつくのであった。




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[16] Re: 挿入捜査官・夏海  :2020/01/16 (木) 22:19 ID:LjoiDqVI No.27394
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『淫乱痴女』としての一週間が終わりを迎えた。


 斯様にジョークとも思しき今回の潜入捜査は存外、地下組織の幹部一名と他数名を逮捕するという大成果を上げて終了した。
 件の痴女はかの幹部の情婦であり、部下を引き連れて夏海を訪ねてきたところを一網打尽に召し捕ったのである。
 そしてその逮捕劇に今回一番の貢献をしたのは、誰でもない夏海であった。

 初日以降、夏海は訪ねてくる男達と情交を結びつつも情報を集め、それらを精査してつなぎ合わせることによって痴女の正体を知った。さらには男達に対しても自身の淫乱ぶりをアピールすることで間接的に本命へと揺さぶりをかけ、幹部がその様子を窺いに現れたところを逮捕にするに至ったのである。

 現場においては偽装した身分を演じ切りつつも綿密に捜査本部と連携を取り、かの幹部が訪れるであろう時期を予測してガサ入れのタイミングを決断した夏海の手腕は驚くべきものといえた。

 加えて『夏海の手腕』に言及するならば、今回の捜査における彼女の痴女ぶりたるや、本来の『痴女』などとは比べ物にならない淫乱さであったという。
 多分に過剰な振る舞いもあったのかもしれないが、それこそが例の幹部を引き寄せたというのであるのだから、もはや夏海の『淫乱痴女』は彼女の新たな外的側面(ペルソナ)であるとすら言えた。
 
 かくして任務のすべてを終えた今、夏海は帰路の空港ターミナルにあった。

「……あ。もしもし、あなた? いま仕事が終わったわ」

 そこの待合ラウンジに設置された公衆電話から、夏海は一週間ぶりとなる夫との通話に興じていた。
 身分偽装をしていた任務中は携帯電話を持つことが許されなかった為、夏海は家族の声を聴くことすらも叶わなかったのだ。

「今回は頑張ったのよ、私」

 そして今、想い人とこうして言葉を交わすことよってようやく本来の『海原夏海』へと戻れたことを実感できたのであった。
 今回『淫乱痴女』として過ごした一週間を思い出す。
 ただひたすらにセックスに明け暮れる日々は、婦警として駆け回る日常とはまた違った過酷さがあった。
 特に『過剰な男狂い』を演じ始めた週の後半は頻繁に訪れる男達の相手に追われ、まともな睡眠はおろか、口にする水や食料もその大半が男達の精液という有り様であったのだ。

 しかしその捜査ももう終わったのだ。
 今後はまた町の平和を守る婦人警官として、そして家族の為の海原夏海として生きていくことを実感し、心から夏海はそれを幸せだと思った。
 そんな幸福を嚙みしめながら交わす夫との電話の最中、ふと受話器越しに『帰ったら何が食べたいか?』とそんなことを尋ねられる。
 取るに足りない話題ではあったがその瞬間、夏海は自身でも気づかぬほど平静に答えていた。


「そんなもの、あなたのチンポと濃厚ザーメンに決まってるじゃない♡」


 言ってから、その言葉が無意識に口をついたことへ戦慄した。


[17] Re: 挿入捜査官・夏海  :2020/01/16 (木) 22:20 ID:LjoiDqVI No.27395
 一方ではそんな夏海からの返事を取りあぐねて尋ね返してくる夫に、夏海も慌てふためいては取り繕う。

「あ、ち、違うの! メンマと濃厚ラーメンって言ったのよ!」

 夏海の返事に受話器越しの夫もまた笑い声を返すと、『再会したらラーメンを食べに行こう』と約束して電話を切った。
 そうして受話器をゆっくりと戻しながら、

「なんであんなことを……」

 夏海は深くため息をつく――自問していた。
 なぜあんな台詞が口をついて出たのか?
 今回の役割である『淫乱痴女』は演技であったはずである。決して自分の本性ではない。忌むべき一週間であったはずだった。

「そんなことない……そんなことないわ」

 公衆電話に戻した受話器へなおも手をかけたまま、夏海は何度も頭(かぶり)を振っては今の自分の言動を『間違えである』と叱責とする。

「だって……楽しいわけがないじゃない。あんな男の人たちに囲まれて……」

 ふと脳裏によみがえる記憶の閃光に夏海は眉をひそめる。
 その光景の中にある自分はといえば――男達の中心で大きく口を開いては射精を待ち望む自分であり――アナルの中に挿入されていた汚物まみれのペニスを喜んで口取りしている自分であり――地に寝そべっては竹の様にペニスを立てて待機する男達の中を、片端から騎乗位に挿入しては回る自分―――その記憶の中の夏海はすべて、


『チンポ最高よぉぉぉッッ!!』


 嗤っていた。

「うそ……違うわ。違う! あんなの気持ち良くなんかなかった……私は愉しんでなんてない……」

 しかしながら、自分を輪姦した男達を誰一人として忘れることなく追憶される任務の記憶は――その全てが甘美なものとして脳内に再生されていた。
 むせ返るような精液の青臭さや舌上に広がるペニスの強い塩気と酸味――そして膣を直腸を問わずに粘膜を刺激しては夏海の肉を突きえぐったペニス達の熱と感触とを思い出すと、

「んん……んあぁぁぅぅぅぅッ!」

 その回想に夏海は、公共の場であることの憚りもなく絶頂を迎えてしまうのだった。
 そんな声に周囲の目も夏海へと集まるがそれも一時のこと、

「はぁはぁはぁ………」

 場のラウンジを行き交う人の流れが一巡すると、もはや公衆電話にすがり付いては絶頂の余韻に震える夏海など誰も注視はしなかった。
 そしてその場に一人、夏海は熱に浮かされた肉体と頭とを持て余してはただただ呼吸を荒げるばかり……。双頭に先太りした受話器の形状に何やら思いを馳せては、カラカラに乾いた喉に生唾を大きく呑み込む。

 自分の中の境界が曖昧になり出したのはいつの頃からだろう?
 婦人警官として任務に就きだした頃か、結婚して出産を果たした頃か、あるいはもっとずっと前から、既に自分というものを見失なっていたのか……。
 もはや記憶すらたどれないはるか昔の自分に思いを馳せる夏海は、そんな曖昧な『本当の自分の人生』よりも、今日までの『淫乱痴女』として過ごしたペルソナの記憶の方が憶えも鮮明に頭の中に残っていることに気付いてしまった。
 そうして小さくため息をつく。


[18] Re: 挿入捜査官・夏海  :2020/01/16 (木) 22:22 ID:LjoiDqVI No.27396

「婦人警官や淫乱痴女も、ぜんぶ『私』……否定すべきことじゃないものね」

 そう気付いてしまった。

『人の本性』などというものは、同じ『丸』ではあってもコインの如く裏表のハッキリしたものではなく、むしろ球体のようなものであるのだろう。
 地続きの面には、善良な日常を送る天使のような自分と、そして他人には見られることも憚れる悪魔のような自分とがその表面にグラデーションを描いて存在している。夏海の中の警官も淫乱痴女もそして本来の自分も、すべては否定や肯定の概念など及ばない問題であるのだ。

「全部ひっくるめて、『私』は私ってことね……」

 それに気付いてしまったこと、受け入れてしまったことが少し寂しいような悲しいような、それでもなぜか心晴れやかな開放感もまた実感している自分がいた。
 やがては鼻を鳴らすようにため息を一つして公衆電話を振り切りと、夏海は背後上方の乗り継ぎ案内板を望む。

「私の飛行機が出るまで、あと2時間くらいあるわね」

 自分の機のフライト時刻を確認しては、時間がまだあることになぜか安堵を覚える夏海。
 そこから広大なラウンジの雑踏へ視線を巡らせると、まるで甘いもので見つけたかのよう夏海は微笑んでそこへと歩み出していた。

「ふふ、んふふふ……」

 夏海の目に映る待合ラウンジの光景が追憶の一週間と重なる。
 人種の坩堝には老若も種族も問わず選り取りに――


「ふふふ……あと2時間くらい、あるのね」


 そこには、数多くの『男』達がいた。







【 終 】



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