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続々 せ・ふ・れ

[1] スレッドオーナー: 洋祐 :2024/03/24 (日) 22:34 ID:QdMo9hHE No.190627

図らずも、三つ目のスレになりました。
前スレでレスをくださった皆様、ありがとうございました。
よろしければ、引き続きご覧いただければ幸いです。



綾夏には、随分酷いことをしてしまったが、
あの後、俺がしたことで、綾夏から何かを言われることはなかった。

翌週の水曜の夜、俺が仕事から帰宅すると、
俺の部屋で待っていた綾夏は、何事も無かったかのように、俺を迎えてくれたし、
金曜のこの夜、俺が綾夏の部屋を訪れると、いつものように迎えてくれた。

「今日は、好きにしていいよ。」

二人でベッドに入ったとき、綾夏がそう言った。
水曜の夜もそうだったが、この日の夜も、俺は、綾夏を愛しむように優しく抱いた。
そして、この夜は、最後に綾夏の中で射精した。

「ふふふ。そんなに遠慮しなくてもいいのに…」

二人で余韻に浸っているとき、綾夏がそう話しかけてきた。

「私、怒ってもいないし、お互い様かなって思っているから…」

綾夏は、俺がしたことを仕返しだと気がついているようだ。

「あまり気にしないで…、
 だけど…、洋祐を見ていると、私、いろいろ言いたくなっちゃうんだよね。」
「・・・・・・」
「ごめんね。」
「・・・・・・」
「でも、また言わせてね。」
「ああ」
「私が言ったことの意味も考えてくれると、ありがたいな。」
「いつも考えているけど、まったく分からない。意味なんかあるのかよ。」
「さあね。それと、仕返しも、もう少し優しくしてくれると、嬉しいんだけど…、
 でも、それじゃ、仕返しにならないよね。」
「・・・・・・」
「洋祐がしたいようにすればいいから…。ね。」

俺は、綾夏の言葉を聞いて、彼女をギュッと抱き締めた。


翌週の水曜、綾夏はこの日も食事を作って待っていてくれた。
3日後の土曜には、綾夏と一緒に美穂と会う約束だが、
まだ綾夏から会う時間や場所を聞かされていない。

「土曜のことだけど…」

二人で食事をしているときに、綾夏が美穂と会う日のことを切り出した。

「適当な場所が思いつかなくて、中々決まらなかったけど、
 結局、美穂がJ駅まで来てくれることになったの。」
「そうなんだ。」
「会ってお礼してお終い、というわけにもいかないでしょう?」
「それは、そうだな。」
「それで、三人で食事でもしようと言うことになったんだけど、
 場所が難しくて…」
「・・・・・・」
「初めはIB駅も考えたんだけど、お店をよく知らないし、
 繁華街だと混雑して、ゆっくり話もできないような気がしたから…」
「彼女の家からだと少し遠いけど、何て言っているの?」
「こちらの方に遊びに来たことがないから、一度行ってみたいって…
 でも、遊びに来るようなところでもないけどね。」
「・・・・・・」
「それで、土曜は、午後1時にJ駅に待ち合わせに決めたわ。
 昼時をずらした方が、店も空いているから…」
「わかった。」

俺としても、遠くまで足を運ばなくて済むから、ありがたかった。

「当日、洋祐はどうする?」
「どうするって?」
「金曜に泊まりに来るなら、一緒に行けるけど、私、生理が近いから…」
「ああ、そういうことか。」
「もしそうなったら、直接J駅に行く?」
「うん、そうだな。そうする。」
「美穂は洋祐の顔を知らないけど、洋祐は美穂の顔を知っているから、
 洋祐と美穂が先に着いても大丈夫でしょ?」
「いや、それが…、送って行ったとき、終始俯いていたし、
 顔のことは気にもしていなかったから、全く覚えていない。」
「そうなんだ…」
「ああ」
「わかった。J駅までは私が一番近いから、少し早めに行くね。」

待ち合わせが1時と言っても、俺は電車で向かうから、
結局、1時より前に行かなきゃいけないだろう。

「同期でもう一人、彼氏いない歴=年齢の子がいて、その子は男性に免疫がないんだけど、
 美穂は、そんなこともないから、気を遣わなくても大丈夫よ。」
「・・・・・・」
「ねえ、もし洋祐が美穂のことを気に入ったら、彼女として考えてみる?
 もちろん、美穂が洋祐のことを気に入ってくれたらの話だけど…」
「その可能性は低いと思うけど、そうだったとしても遠慮しておくよ。」
「えー、何で?」
「だって、綾夏の友達だろ。もし付き合ったとしたら、
 綾夏に全部筒抜けになりそうで…、嫌だな。」
「ははは、確かに、それはあり得るわね。
 あの娘なら、私が聞かなくても、自分から全部話してくれそう…、ははは。」

何かその話しが綾夏の壺に嵌まったのか、
綾夏はその後も、度々思い出しては笑いを堪えていた。

食事を終えると、いつものように二人で風呂に入り、
湯船に浸かっていた。

「美穂は、未だに洋祐のことを彼氏さんって言うのよ。」
「・・・・・・」
「その都度、違うって言っているんだけど…」
「・・・・・・」
「完全に彼氏認定されているみたい。」
「・・・・・・」
「周りの人に話しを聞かれたら、それこそ大変よ。」
「・・・・・・」
「また変な噂が広まっても困るしね。」
「・・・・・・」
「でも、洋祐に会ったら、呼び方を考えるって言っていたから、
 やっと、これで彼氏さんって呼ぶことも無くなるわ。」

綾夏は俺に背を向けているので、彼女がどんな顔をして話しているのか、
俺にはわからなかった。

「綾夏。」
「何?」
「入れてもいい?」
「いいよ。」

二人で一旦立ち上がり、対面座位の姿勢で湯船に浸かった。
暫くキスをした後、互いに抱き締め合っていたら、
綾夏が話し始めた。

「美穂に、彼氏じゃないって言っておきながら、
 洋祐とこんなことしているって美穂が知ったら、
 彼女はどう思うかな。」
「・・・・・・」
「彼氏じゃなくても、セックスしたいと思う人がいるなんて、
 普通じゃ、絶対理解されないよね。」
「・・・・・・」
「もしも洋祐が美穂と付き合い始めたら、
 私たちのこと、美穂には隠し続けなくちゃいけないんだね。」
「・・・・・・」
「それは…、結構辛いな。」
「・・・・・・」
「美穂の顔、真面に見られないかもしれない…」
「・・・・・・」
「そう考えると、洋祐と美穂が付き合うのは、
 私にとっても、やっぱり無理なことかな…」
「俺は、別に付き合うつもりはないから…」

俺がそう言うと、綾夏は腰を上下にゆっくりと動かし始め、
顔をやや上に向けながら喘ぎ始めた。


[41] Re: 続々 せ・ふ・れ  まつ :2024/09/28 (土) 06:40 ID:mhZs.ksM No.195009
綾夏さんの決意は以前洋介さんに話した……と。
それはかつて…

「私ね、洋祐が…、私を妊娠させようとしてるんじゃないかって思った。」

「普通なら拒否するんだろうけど、私はそうは思わなかった…」
「・・・・・・・」
「でも、もし妊娠させようとしているなら、一番危ない日もするでしょ。
 だけど、洋祐はしなかったから…」
「・・・・・・・」
「私の一人合点なのかなって…」
「・・・・・・・」
「洋祐はどうなの?」
「・・・・・・・」
「もしも洋祐が本気でそうしたいと思ったなら…、
 私は…、かまわないよ。」

…とあります。

そして、女性としての一番大事な決意を洋祐さんは忘れてはいけません。
たぶんそれを忘れられていたら物凄く悲しいのではないのでしょうか。

この人は一生一緒に居てくれる人じゃないと感じるのではないでしょうか?

そして、飲み会の迎えの依頼は、綾夏さんの新たな決意のような気がします。
洋祐さんが綾夏さんを大事に思うなら、その迎えを躊躇してはいけない。
お酒で崩れる綾夏さんを知っていて、綾夏さんを守る取り巻きがもう居ない事も知っている洋祐さんの義務です。

そこをふたつ返事で返さない洋祐さんに失望したのかもしれません。

なにか別の方向に動きだしてる様な2人が気になります。

[42] Re: 続々 せ・ふ・れ  洋祐 :2024/09/29 (日) 21:31 ID:wMGMZc8U No.195047

ジーンさん、まつさん、レスありがとうございます。



結局、それから、綾夏ともう一度セックスし、翌日の日曜の朝、またセックスした後、
午後2時頃、綾夏は自分の部屋に帰った。
綾夏から好きにしてと言われていたので、俺のやりたいようにさせてもらった。

2回目のセックスでは、正常位の後、綾夏の両脚を大きく屈曲させ、
俺は上から叩き付けるように腰を動かした。
また、綾夏の右脚に跨いで座り、足の裏が天井を向くほど綾夏の左脚を揚げ、
ペニスを綾夏の奥まで突き刺した後、激しく腰を振った。

バックに体位を変えると、綾夏の片腕または両腕を引っ張りながら、激しく突いた。
その後、俯せになった綾夏の背中に覆い被さり、両手で彼女の胸を弄りながら、
スライドするように身体を動かした。
それから、綾夏の尻に跨って、前後に大きく腰を振り、
ときおり、綾夏の両腕を引っ張って彼女を仰け反らせ、激しく腰を振った。
綾夏は、これら全てを、「だめ。」とも「やめて。」とも言わずに受け入れていた。

その後も、様々な体位に変えながら、綾夏を凌辱するようにセックスし、
最後は、正常位で綾夏の中で射精した。
真冬で部屋の空気も乾燥している中、俺が射精した後には、
俺も綾夏も汗だくになっていた。

「もう、こんなことされたら、お嫁に行けなくなっちゃうでしょ。」

二人で余韻を楽しんだ後、綾夏が笑いながらそう言った。
もちろん綾夏は、冗談でそう言っているわけだが、
これでお嫁に行けないならば、これから毎日やってやろうかと俺は思った。

翌朝のセックスは、一転して静かなまま終えた。
正常位で挿入した後、俺はほとんど腰を動かさず、
綾夏の膣の柔らかさを味わいながら、綾夏の胸を弄り、また、綾夏と唇を重ね合わせた。
ときおり、挿入したまま何もせずに、お互いに強く抱き締め合った。
そんなことを長い時間行った後、ゆっくり腰を動かし、
時間を掛けて射精まで導き、最後は、綾夏の中で静かに射精した。

「私、入れられているだけなのに、いきそうになっちゃった。ふふふ。」

静かなセックスの延長のような余韻を楽しんだ後、綾夏が可笑しそうにそう言った。

綾夏が帰った後、俺は下半身に怠さを感じ始め、それが夜には痛みに変わった。
腹筋、内転筋、臀筋などの至る所が筋肉痛で、あまり動く気にもなれない。
昨日のセックスで普段使わない筋肉を使ったことが原因なのは明らかだった。
まあ、俺の日頃の運動不足が根本原因であるのは確かだが…。

きっと、綾夏は、この程度では筋肉痛など感じることもなく、ケロリとしているだろう。
もし今日の夜も綾夏と一緒に過ごし、彼女から求められていたら、
俺は応じられたかどうか…、応じたとしても、今朝のようなセックスで精一杯だろう。
そう考えると、綾夏のセックスの相手をするのも大変だ。

翌週の週末は、成人の日を含む三連休で、初日の土曜は綾夏の飲み会だ。
そして、三連休の前日の金曜の夜、俺はいつものように綾夏の部屋に行った。

「明日は何時に出掛けるの?」

俺は、湯船の中で、俺の前に座っている綾夏の胸を揉みながら、彼女に尋ねた。

「飲み会が6時集合だから…、5時半ごろかな。」
「じゃあ、8時ぐらいには帰るのかな。」
「分からないわ。行ける人だけで、2次会に行くかもしれないし…」
「女子だけでも2次会とかに行ったりするの?」
「分からないけど、別にお酒を飲む場所とは限らないから…」
「ふーん、そうなんだ。」
「申しわけないけど、連絡するまで待っていてね。」
「わかった。」
「洋祐は、明日どうする?」
「どうするって?」
「私が連絡するまでずっとここにいる?それとも一旦帰る?」
「そうだな…、どっちにしても夕飯を食べなきゃいけないから、一旦帰るよ。」
「そう。何時頃、帰る?」
「綾夏が出かけるときに一緒に出ようかな。」
「わかったわ。」

綾夏はそう言うと、俺の方を向き、いつものように正面座位で激しく動いた。

「明日も飲むから、今日は止めとくね。」

風呂から上がると、綾夏がそう言って、先にベッドに入った。
俺は、キッチンのデーブルで、缶ビールを1本飲み干してから、
綾夏の待つベッドに入った。

「好きにしていいよ。」

俺がベッドの中に入ると、綾夏がそう言った。
この日の夜は、俺が2回綾夏の中に射精した後、二人で眠りについた。

翌朝、隣に寝ていた綾夏に声を掛けられて、俺は目が覚めた。
暫くベッドの中でゆっくりした後、二人でシャワーを浴びた。
シャワーを終えた頃には、すでに午前11時を回っていた。

朝昼を兼ねて食事に出掛けようとしたが、外は生憎の雨だったので、
綾夏が食事を用意してくれた。
食事を終えて暫く休憩した後、綾夏が部屋の掃除をしたいというので、
俺は、風呂場とトイレの掃除を手伝った。

掃除を終えた頃には、午後2時を過ぎていた。
綾夏が出掛けるまでに、まだ3時間以上ある。
キッチンのテーブルで、暫く二人で他愛のない会話をして寛いでいたが、
俺は、いきなり綾夏の腕を取って、ベッドに連れて行き、
そのまま、綾夏をベッドに押し倒した。

「えっ、何?」

綾夏はびっくりしたような顔をしたが、俺は一切構わず、
綾夏の服を剥ぎ取りように脱がせた。
それからは、俺は綾夏をやりたいようにやり、最後に綾夏の中にぶちまけた。

「これから出掛ける前に、何てことするのよ、もう。」

終わった後、綾夏はそう言ったが、その声は笑っていた。
何故こんなことをしたのか、自分でもよく分からない。
ただ、これで綾夏は、俺の子種を子宮に溜めて、サークルの同期の女子達に会うんだとか、
女子達がそれを知ったらどう思うだろうとか、そんなことを俺は考えていた。

「レイプ願望があるんじゃなかったっけ?」
「そんなこと、一言も言ってないでしょ。」

綾夏はそう言いながら、身体を起こした。
時計を見ると、午後4時半を回っている。
二人で急いでシャワーを浴びた後、綾夏は、入念に化粧をしていた。

「女子だけの飲み会なのに、随分熱心に化粧をするんだな。」
「女子だけだからよ。男子はあまり気にも留めない人が多いけど、
 女子同士は、結構チェックが厳しいんだから…。」

そんなものなのかと思いながら、俺は、綾夏が化粧をする様子を眺めていた。
綾夏が鏡を見ながら、顔の一部を伸ばしたり縮めたりして、変な顔を作っていたので、
俺は思わず笑ってしまうと、綾夏は「何よ。」と言って、俺を睨んだ。

それから、午後5時半頃に二人で綾夏の部屋を出た。
外に出ると、昼頃に降っていた雨は、すでに止んでいた。
J駅で綾夏を見送った後、俺はJ駅近くで食事をしてから、一旦自分の部屋に帰った。

部屋に戻ると、俺は、またシャワーを浴び、服を着替えてから部屋を出て、
午後8時前には、綾夏の部屋に入った。
それから30分ぐらい経った後に、綾夏から電話があった。

「MY駅近くの〇〇(店の名前)って覚えているでしょ。
 今、そこでコーヒーを飲んでいるから、ここまで迎えに来てくれる?」
「わかった。」

酔っている声ではなかったが、俺は直ぐに綾夏の部屋を出て、綾夏が待つ店に向かった。
店に入ると、角の4人掛けのテーブルで店の入り口の方を向く席に、
綾夏が座っているのが見えた。
そのテーブルに近づくと、綾夏の正面の席に、髪の長い女性が背を向けて座っていたので、
俺は驚いて立ち止まった。
一体誰だろうと思っていると、綾夏が俺に気づき、軽く手を上げて手招きした。
すると、綾夏の正面に座っている女性が俺の方に振り向いた。

振り向いたその女性の顔は…、由美だった。


[43] Re: 続々 せ・ふ・れ  けい :2024/09/30 (月) 21:44 ID:OB3/UF3s No.195066
続きが気になります

[44] Re: 続々 せ・ふ・れ  まつ :2024/10/01 (火) 08:30 ID:Ew/1Gjhs No.195077
やはりそうなりますか。

綾夏さんの決意の現れが出た様に感じます。
洋祐さんの反応から綾夏さんは決断を下したと思いました。
由美さんへのバトンタッチのタイミングを図ってたのでしょうか。
由美さんを紹介したのもその伏線をはっていたんだということでしょう。

あとは綾夏さんの性欲を洋祐さん抜きで考えられるのか?という点です。
それ次第で二人の関係がどうつながっていくのか…ですね。

その時は由美さんはどうなるのか…そこが懸念のひとつです。

オモシロイ。
楽しみにしてます。

[45] Re: 続々 せ・ふ・れ  洋祐 :2024/10/03 (木) 23:40 ID:0QUYvo5c No.195150

けいさん、まつさん、レスありがとうございます。



由美は俺の顔を見ると、ゆっくり立ち上がり、微笑みながら俺に軽く会釈した。
スラッとした立ち姿、優しい笑顔、それはまさしく由美に違いなかった。
俺は、何故由美がここにいるのかと思い、その場で呆然としていたが、
綾夏が再び手招きをするのを見て、漸くテーブルへと向かった。

「洋祐くん、久しぶりね。」
「ああ、久しぶり。」

由美の声を聞いて、俺は、相変わらず優しい声だと思った。
由美は、俺と挨拶を交わした後、綾夏の隣に席を移して腰を下ろした。
このような気遣いができるところは、由美は変わってないな、と俺は思った。
俺は、由美がそれまで座っていた席の隣、すなわち由美の正面の席に座った。

由美の顔を間近で見ると、化粧の仕方が変わったせいか、
俺の目には、学生時代よりも少し大人びて綺麗に映った。
いや、下世話な言い方だが、いい女になったなと言った方が良いかもしれない。

「由美は、洋祐と会うのは卒業して以来なんでしょ?」
「うん。確か綾夏は欠席していたと思うけど、
 卒業する前に、サークルで追い出しコンパがあったでしょ。
 そのとき以来かな。」

由美が俺と最後に会った日を覚えてくれていたことが、俺は何だか嬉しかった。
由美は、あの日交わした会話のことも覚えているだろうか。
俺は、由美から言われた「自信を持って」という言葉を思い出した。

「ところで、どうして由美がここに?」

俺はコーヒーを注文した後、綾夏でも由美でもなく二人にそう尋ねた。
すると、綾夏と由美は二人で目配せをして、綾夏が話し始めた。

「由美から、私は卒業してから同期の男子に会ったことがないけど、
 綾夏は誰かに会ったことがある?って聞かれたから、
 洋祐とは住んでいる所が近いから、たまに会ったりするよって答えたの。」
「それで、私も洋祐くんに会ってみたいなって答えたら、
 綾夏が、今日遅くなったら迎えに来てもらう約束だから、
 後で呼び出してみようかって言って…」

由美が綾夏から引き継ぐように話し始めた。

「私は、邪魔にならない?って、綾夏にそう言ったんだけど、
 全然そんなことはないよって言うし、
 私も洋祐くんと会いたかったから…
 洋祐くん、忙しいのにごめんね。それと驚かせてしまって…」

由美はそう言うと、俺に向かって優しく微笑んだ。

「それなら綾夏が電話した時に一言言ってくれれば…」
「洋祐を驚かしてやろうと思って…、ね。」

綾夏は、俺の言葉を遮るようにそう言った後、
由美と二人で顔を見合わせて笑った。

「洋祐くん、あの頃と変わってないね。何だか凄く安心した。」
「由美も変わってないよ、いや、あの頃よりも綺麗になったかな。」
「ありがとう。でも、洋祐くんも、そんなお世辞が言えるようになったのね。」
「いや、そういうことじゃなく…」
「私は、そんなことを一度も言ってもらったことはないけどね。」

綾夏がそう言うと、俺と由美は顔を見合わせ、お互い吹き出しそうに笑った。

「ちょっと、何二人で…、そこは笑うところじゃないでしょ。」

綾夏もそう言って、一緒に笑った。

「でも、由美と綾夏って、そんなに仲がよかったっけ?」

俺は二人に尋ねた。

「由美とは、一年生の頃から、ずっと仲良くさせてもらっていたよ。
 私、サークルに入った頃、皆に生意気な口をきいていたでしょ。
 それで、同期の女子達が『ん?』ってなっていたところに、
 由美が間を取り持ってくれたの。それ以来、由美と親しくなったわ。」
「そんなに大袈裟なことじゃないわ。
 私は争いごとが好きじゃないし、他の人のそれを見るのも好きじゃないので、
 皆仲良くやっていこうよって思っただけだから…」
「でも、その後も、由美にはいろいろ相談に乗ってもらったでしょ。
 私、本当に助かって、由美には凄く感謝しているわ。」
「大したことはしていないと思うけど…、綾夏にそう言ってもらえると嬉しいわ。」

二人の会話を聞いていて、綾夏は由美のことが本当に好きなのだろうと感じた。
一方、由美の方は…、由美は学生時代、誰にでも優しかったし、
誰かに対する悪口や愚痴などは決して口にしなかったから、
綾夏のことが特別に好きなのかどうか、由美の口振りだけでは分からなかった。
まあ、女子同士の関係性などは、俺には全く理解しがたいことではあるが…

「でも、洋祐くん、綾夏に遅くなったら迎えに行く約束をしてあげるなんて、
 少し綾夏が羨ましいわ。」
「別に…、綾夏は一年のときから、同期の男子を顎で使っていただろ。
 その延長みたいなもんだよ。」
「何、顎で使うって…、私、そんなことをした覚えはないわ。」

綾夏がそう言うと、俺は思わず苦笑し、それを見た由美も苦笑していた。

「また二人で…、そこも笑うところじゃないでしょ。」

綾夏がそう言うと、三人で一斉に笑った。

それからは、俺と由美が、卒業してからこれまでの経緯や、近況などを互いに話した。
由美については、以前、簡単にではあるが、綾夏から聞いてはいたが、
それと同様のことを、より詳しく話してくれた。
綾夏は、俺と由美の会話を、珍しく黙って聞いていた。

由美と会話してみて、学生の頃のような親密さは彼女からそれほど感じられなかった。
それは、3年近く俺と由美が会っていなかったせいなのか、
それとも横に綾夏がいるせいなのか、俺には分からない。
ただ、それでも俺には、由美との会話はとても楽しい時間だった。

俺と由美の話しが終わると、気がつけば、午後10時半を大きく回っていた。

「由美はこれから実家に帰るの?」

俺は時計を見ながら、由美にそう尋ねた。
詳しくは知らないが、ここから由美の実家までは、たしか1時間はかかる筈だ。

「ううん。今日は、綾夏が部屋に泊めてくれるって…。」
「えっ…、そうなんだ。」
「そうよ。由美と二人で、一晩中、洋祐の悪口でも語り合おうと思ってね。」
「あのね…、勘弁してよ。」

俺がそう言うと、綾夏と由美は二人で一緒に笑った。
それから、三人で暫く他愛のない会話をした後、
俺と由美が、携帯の番号やメアドなど、連絡先を交換してから、
三人で店を出た。

ただ、俺は、由美と連絡先を交換したところで、
今、由美はここから先隣りの県に住んでいることを考えると、
この先、彼女に会うこともないだろうなと思った。

MY駅からJ駅まで電車に乗り、俺はここで乗り換えだが、
綾夏と由美を改札近くまで見送った。

「二人とも気をつけて帰れよ。」

俺がそう言うと、綾夏が「うん。じゃあね。」と言って、
一人で先に改札へ向かった。

「洋祐くん、今日は会えて嬉しかったわ。これからも、元気でね。」
「うん、俺も嬉しかった。由美も元気で。」
「それと、追い出しコンパのときに私が言った言葉…、忘れないでね。」

由美は最後にそう囁いて、急いで改札に向かった。
由美が改札を出ると、綾夏と二人で俺に手を振ったので、俺も二人に手を振った。
それから、俺は電車に乗り、隣のK駅で降りて、自分の部屋に向かった。

部屋に向かって歩いている途中、俺はとても気分がよかった。
思いがけず、由美に会い、由美と話しができたことで、
こんな気分になれたということに、間違いはなかった。


[46] Re: 続々 せ・ふ・れ  けい :2024/10/09 (水) 23:18 ID:oz4FkkWg No.195341
続き待ってます

[47] Re: 続々 せ・ふ・れ  洋祐 :2024/10/12 (土) 23:56 ID:8Lmhy4d6 No.195402

けいさん、レスありがとうございます。



俺は、自分の部屋に帰り、軽くシャワーを浴びた後、一人でビールを飲み始めた。
俺の予定では、目の前に綾夏が居て、今日の飲み会の話しを聞きながら、
二人で酒を飲む、そんなことを考えていたが、
今、一人でビールを飲んでいても、気分は上々だった。
それは、やはり由美と会い、由美と話しが出来たからだろうか。

由美と会ったのは追い出しコンパ以来だから、2年10カ月ぶりか…
思いのほか綺麗になった由美を見て、ふと逃した魚は大きかったと思ったりもしたが、
逃すも何も、掴まえようとすらしなかったのだから、仕方がない。

俺は、ビールを飲みながら、今日の由美の顔や声、話しの内容などを思い返したり、
今頃、由美と綾夏はどんな話しをしているだろうかと考えたりしていた。

ビールを飲み終えた後、まだ眠れる気はしなかったが、
俺は、とりあえず布団を敷き、床に就いた。
今日のことを振り返ってみると、少し気になることがあり、違和感を覚えた。

どうして由美がここに?と俺が尋ねたとき、綾夏が俺と会っている話しを聞き、
自分も会いたくなったと由美は答えた。
由美と綾夏の口振りだと、そんな話しになったのは、
今日の飲み会の場のような感じだったが、果てしてそれは本当なのだろうか。

そもそも、綾夏が、飲み会の場で、俺と会っているなどと口にするだろうか。
学生時代だって、俺と綾夏の関係は、周りにはひた隠しにしてきたはずだし、
今更話すメリットが綾夏にあるとも思えない。

百歩譲って、相手が由美だから綾夏が話す気になったとしても、
飲み会の場では、周りの誰かに聞かれないとも限らない。
飲み会の後、由美と二人で店に入ってから話したのとも考えられるが、
それもどうもしっくりこない。

それに綾夏が、J駅ではなくMY駅まで俺を迎えに来させたことも、
俺には合点がいかない。
綾夏は、電車に乗れなくなったり、乗った後に酔いが回ったりと言っていたが、
電車に乗れないならタクシーを使えばいいし、
MY駅からJ駅までのたったの二駅で、酔いが回るとも思えない。

しかも、実際に迎えに行ったとき、綾夏は酔った様子は全くなく、
初めからそれ程酒を飲むつもりもなかったようにも見える。

そうとすると、俺にMY駅に迎えに来て、と言った先週の時点で、
綾夏には、俺にMY駅まで来させる理由があったというだろう。

そして、もう一つ、綾夏が由美を部屋に泊めるということだ。
いつそう決めたかは、綾夏も由美もはっきりとは言わなかったが、
綾夏たちの話しの流れを考えれば、今日の飲み会の場でということになる。

だが、それも俺には疑わしく感じてしまう。
今日、綾夏が唐突に部屋を掃除したいと言い出したのは、
事前に由美が泊まることが分かっていたからではないだろうか。

このように考えると、綾夏は、俺と会っていることを以前から由美に伝えており、
自然な形で俺と由美を会わせるために、同期の飲み会の後に俺を呼び出し、
帰りが遅くなる由美のために、自分の部屋に泊める、
そんな計画を事前に由美と話し合って立てていた、とするのが自然な気がする。

ただ、何故、こんな手の込んだ計画を立てたのかは謎だ。
綾夏は、俺を驚かせてやろうと思ってと言ってはいたが、
綾夏から見れば、俺と由美は、サークルの同期という関係でしかないから、
例えば俺と由美がお互い会いたがっているなんてことは、考えつかないだろう。
そうでなければ、綾夏だって、俺が由美と会っても、それ程驚くとは思っていないはずで、
そのために、綾夏が手の込んだ計画を立てるとは、俺には思えない。

それとも、驚かそうと考えたのは、由美の方なのだろうか。
俺に会いたかったという由美の言葉に、嘘はないと思う。
逆に、俺が由美に会いたいと思っていると、由美が考えたとしても不思議ではない。
だからと言って、俺を驚かそうと綾夏に頼んだということも、俺には思えない。

俺を驚かすこと以外に、何か目的があったとすれば、
綾夏が俺に何かを隠したかった、例えば俺と会っていることをかなり前に由美に話し、
それを隠したかったから、今日話したことにしたということが考えられる。
ただ、かなり前だろうが今日だろうが、話したことに違いはないから、それも考え難い。
それとも、由美に関わることで、俺に隠したい何かが他にあるのだろうか。

それと、もう一つ気になることは、由美が最後に囁くように言った言葉だ。
追い出しコンパのときに由美が言った言葉と言えば、
俺には、自信を持ってという言葉しか思いつかない。
その言葉を忘れないでとは、どういう意味だろうか。

確かに、今の俺は、学生のときと同様に、未だに自信を持てないでいることは確かだが、
そのことを、今の由美が知る由もない。
例えば由美が、俺との会話の中で俺がまだ自信を持てていないと感じたときに、
初めて成り立つ言葉だ。
だが、今日、俺が由美にそう感じさせるような話しを彼女にした覚えはない。
それとも、追い出しコンパのときに由美が言った言葉が、他にあるのだろうか。

考えても答えを見いだせない問題を、延々と考えているうちに、
俺は、いつしか眠りに就いた。

翌日、俺は、午前中から部屋でのんびり過ごしていた。
今日、綾夏と由美はどうするのか、由美は何時ごろ帰るのか、何も聞いていない。
由美が帰れば、綾夏から連絡あるだろう。

昨夜は、答えが出ぬまま眠ってしまった。
綾夏に尋ねたところで、素直に喋るとは思えない。
問い詰めるには、俺と由美のことを話さざるを得なくなるかもしれない。

もちろん、昨日考えたこと全てが、俺の思い過ごしの可能性もある。
ただ、頭の中がモヤモヤして、違和感を拭えない。
だが、違和感を拭う術も見つからないだろう。
そうであれば、謎は謎のまま、これ以上詮索しても仕方がない。

午後4時頃、綾夏は、連絡もなく俺の部屋にやってきた。

「由美は?」
「今日は実家に泊まって、明日帰るって。」
「今日は、今まで由美と一緒だったの?」
「うん。由美に会うのも久しぶりだったから、午前中に由美と出掛けて、
 二人で買物とか食事をしてから、3時前に別れたわ。」

俺は、あれから由美とどんな話しをしていたか尋ねようとしたが、思い止まった。
女性同士の話しに俺が首を突っ込むのも、何だかなと思ったし、
迂闊なことを尋ねて藪蛇になるのも面倒くさい。

「洋祐は、今日、何をしていたの?」
「部屋でゴロゴロと…」
「少しは外に出掛けて方がいいんじゃない?運動不足だし。」
「そうだな。」

綾夏は何かをしている方が落ち着くタイプだが、
俺は何もしていない方が落ち着くタイプだ。
綾夏から見れば、俺が何もしようとしないことが不思議なのかもしれない。

それから、綾夏に誘われて、夕食の買い出しに出掛けた後、
二人で夕食の用意をした。

「昨日、三人で話していて思ったんだけど…」
「何?」
「洋祐って、由美が相手だとよく喋るんだよね。」
「えっ…」
「私と話しているときは、ぶっきらぼうに『ああ』とか『おお』とか言うことが多いし、
 喋るとしても、短い言葉をボソボソと言うぐらいなのに…」

俺は「おお」と返事をした覚えはないが、綾夏が言いたいことは、俺にも分かっていた。
由美が相手だと、俺は、饒舌とまではいかないが、普段よりも長々と喋ってしまう。
昨日も、由美とは3年近く会っていなかったにもかかわらず、
学生の頃と同じように、スムーズに会話することができた。

「昨日も、洋祐の仕事のこととか、私が聞いたことのない話しを由美に喋っていたし…」
「由美は、きっと聞き上手なんだよ。話しの腰を折ったりしないで、
 最後まで聞いてくれるし…」
「私も、洋祐の話しの腰を折るようなことはしていないと思うけどな。
 というか、洋祐の話しはいつも短いから、腰の折りようもないんだけどね…」
「・・・・・・」
「昨日、洋祐と由美の会話を聞いていると、他人が入り込めない雰囲気を感じちゃった。
 由美は私が羨ましいって言っていたけど、私は由美のことが羨ましかったな。」

綾夏はそう言って、俺を見つめながら笑った。


[48] Re: 続々 せ・ふ・れ  まつ :2024/10/14 (月) 22:38 ID:9M21aLnc No.195481
ちょっと事情があってしはらくここに来れませんでした。
その間に色々と話しが進んでました。

そして今回を読んだあと、あらためてお話を全て読み返してみました。
で、まず思ったことが、お二人は十年連れ添ったご夫婦よりもセックスの回数か多いです。笑
そして、やはり綾夏さんの洋祐さんへの意識がかなり強いことを感じました。

例えば
付き合ったBとの時もその彼氏のことは本当に好きだったのでしょうが、頭の片隅に必ず洋祐さんを置いていました。
また読み返してみて、洋祐さんの中出しの多さにあらためてびっくりしましたが、最初の時以後の綾夏さんの対応は…妊娠を拒否しないような発言しかありません。いやむしろ望んでいるような発言も見られます。

夫婦以上の性生活を長年してきて、やはり洋祐さんとの結婚をかなり意識してきたがゆえに、ここでその結論をどうしようか考えているのではないのでしょうか。
彼女を紹介したり、由美さんを引っ張り出してきたり、洋祐さんの反応や女性たちの反応を見ながら、綾夏さん自身の気持ちも確認しようとしている節が見られます。

そして、おそらく綾夏さんの一番の不安は、体の相性がこの上なく良い洋祐さんと離れられるのか?ということの様な気がします。

夫婦を十年もやれば、それなりの倦怠期やマンネリも訪れるものですが、それ以上の性生活をしてる2人なのに飽きもせず気持ちが良いセックスのできる相手というのはなかなか巡り会えませんよ。
おそらく彼氏との別れを選んだ何割かの理由に洋祐さんとの体の相性が入っていると思われます。

そこを綾夏さんの帰る場所にしたかったのではないでしょうか?

さて由美さんを引っ張り出してきたことが吉と出るか凶とでるか。
目が離せません。

[49] Re: 続々 せ・ふ・れ  洋祐 :2024/10/18 (金) 23:44 ID:42oyzh5s No.195633
まつさん、レスありがとうございます。



綾夏は、由美の何が羨ましいのだろうか。
綾夏の言葉を単純に解釈すれば、俺と由美の間には、他人が入れない雰囲気があり、
そんな雰囲気を俺と作れる由美が羨ましいということだろうか。
たが、これまでも、綾夏の言葉には、単純に解釈できないものが多々あった。
今の言葉にも、単純には解釈しきれない意味があるのかもしれない。
ただ、俺自身は、由美と話してみて、学生の頃のような親密さは感じなかったのだが…
俺と綾夏は、夕食を終え、シャワーを浴びた後、二人で酒を飲み始めた。

「そう言えば、昨日の飲み会、R恵も参加していたんだけど、
 彼女、今妊娠していて、もうすぐ結婚するんだって。」
「えっ…」
「今、新居を探していて、引越しが済み次第、入籍するそうよ。」
「結婚って、綾夏が以前教えてくれた同棲中の彼氏と?」
「ううん、それが違うの。」

綾夏がR恵から聞いた話しによると、R恵は、同棲していた彼氏とは別れて、
昨年11月の文化の日に、同棲していた部屋から引っ越したらしい。
R恵が引っ越したことは、綾夏にも11月の中頃にR恵から連絡があったそうだが、
彼氏と別れたことまでは、綾夏も知らなかったらしい。
ただ、彼氏と同棲中に一人で引っ越したわけだから、
彼氏と何かあったのかなとは感じていたそうだ。

R恵は、その後直ぐに、新しい彼氏と付き合い始めたが、
生理が酷く遅れているのが気になり、年末に産婦人科へ診察に行ったところ、
妊娠2カ月と診断されたらしい。
それからR恵は彼氏に相談し、年末年始の休みを利用して、
お互いの両親に挨拶を済ませ、新年から新居探しをしているとのことだった。

「R恵にはR恵なりの考えがあるのだろうけど…、
 さすがにちょっとって…、大丈夫かなって思っちゃった。」
「・・・・・・」
「他の同期は、R恵の話しを聞いて、皆唖然としていたし、
 由美も、私にはとても真似はできないって言っていたわ。」

以前に綾夏から聞いた話しでは、たしかR恵は、同棲していた彼氏と結婚したくて、
出来婚を狙っていた筈だが、結局、妊娠しなかったということか、
いや、それとも…

「その…、R恵が妊娠した子どもって…、元彼の子とかという可能性はないの?」
「それは絶対にないって、R恵が…」
「・・・・・・」
「R恵から話しを聞いた後、皆そのことが気になっていたみたいだけど、
 そんなこと中々聞けないじゃない。
 だけど、〇〇がそれらしいことを尋ねたら、R恵がそう言ったの。」
「・・・・・・」
「彼女の話しだと、10月の終わりごろに、前の彼氏から最後にって求められて、
 セックスしてしまったらしいんだけど…、
 前の彼氏の部屋から引っ越す前には、生理が始まったって…」
「生理があったのなら…、それは確かだな。」
「R恵は、学生の頃からよく彼氏が変わっていたけど、
 その当時からずっと、二股になったことは一度もないって言っていたわ。
 新しい彼氏と付き合うにしても、万一のことを考えて、
 前の彼氏と別れた後、生理が始まるまでは、付き合い始めることはなかったって…。」
「・・・・・・」
「その考えは、R恵の立派なところだとは思うけど…、
 きっと周りには、そうは見えないからね。
 今回のことにしても、前の彼氏と付き合っていたことを知っている人達には、
 前の彼氏と今の彼氏と、交際期間が重なっているんじゃないかって思われるかもね。」

周りから見れば、確かにそうだろうなと思った。
俺自身も、話しを聞いて、交際の時期が重複しているんじゃないかと疑ってしまったが、
そうではなかったということか…
ただ、妊娠した時期を考えると、同棲していた彼氏と別れてから1〜2週間ほどで、
新しい彼氏と付き合い始めたことになり、これはこれで驚くべきことではあるが…

それに、学生の頃からそうだが、別れて直ぐに彼氏が見つけてしまうとは、
R恵は、余程男性からもてるのだろう。
確かにR恵の身体は、男性にとっては魅力的に映るだろうし、
彼女の性格も愛嬌があって、決して悪いわけではない。

しかし、R恵は、結婚したいと思っていた元彼と何故別れたのだろう。
元彼に最後にと求められ、R恵もそれを受け入れたということは、
お互いに或いは一方が、相手のことを嫌いになって別れたわけではなさそうだが…。

「R恵が元彼と別れた理由とかは聞いている?」
「ううん、それは聞いていない。
 普段なら、どうして別れたのって、皆興味を示すことだと思うけど、
 妊娠と結婚のインパクトが強すぎて、誰も聞いたりしていなかったわ。
 それよりも、結婚する今の彼氏のことを、皆夢中になって聞いていたけど…」
「R恵が10月まで元彼と同棲していたってこと、今の彼氏は知っているのかな?」
「それも聞いていないけど…、さすがに全部は言えないんじゃないかしら。
 10月まで前の彼氏がいたことぐらいは伝えたかもしれないけど…、
 前の彼氏と2年近く同棲していて、しかも子どもまで作ろうとしていたなんて、
 付き合って直ぐには、簡単に言えることではないわ。」

確かに付き合って直ぐに、彼氏に言えることではない。
俺が綾夏からR恵のことを聞いたのは、たしか去年の6月頃だった。
そのときには、すでに1年半ほど同棲を続けていて、
R恵は、出来婚を狙って、元彼と避妊せずにセックスをしているということだった。

R恵が避妊せずにセックスをしていたのは、半年ぐらいだろうか。
結局、半年間、R恵が元彼の子どもを妊娠することはなかったが、
まさか新しい彼氏と付き合い始めて、直ぐに妊娠するなんて、
そんなこともあるんだなと俺は思った。

「子どもを作ろうとしていたことはともかく、前の彼氏と同棲していたことは、
 R恵もいずれは話すつもりでいたのかもしれないけど、
 話すタイミングが来る前に、妊娠しちゃったって感じかなって思う。」
「・・・・・・」
「でも一度言いそびれてしまうとね…、その後、中々言えなくなってしまうでしょ。
 私だったら、きっと死ぬまで隠し通すかもしれないわ。
 自分からは言わないというだけで、相手に嘘をついているわけじゃないし…」
「・・・・・・」
「もう結婚するんだから、知らない方がお互いに幸せってこともあるでしょ。」

綾夏はそう言って、微笑んだ。
俺と綾夏は付き合っているわけではないが、綾夏も俺に何か隠し事があるのだろうか。
もちろん俺は綾夏の全てを知っているわけではないし、隠し事の一つや二つはあるだろう。
ふと、そんなことを思ってしまった。
ただ、そうだとしても、俺も綾夏に隠していることがあるわけだし、
どうこう言える立場ではないのだが…

R恵の元彼は、別れて直ぐにR恵が妊娠するとは、思いもよらないだろうな。
一般論としてだが、同棲していた元カノが、別れて2カ月後に今彼の子を妊娠している、
そんなことを聞いたら、元彼はどう思うだろうか。

自分のことに置き換えて考えてみると、綾夏との関係が終わった2か月後、
彼女が他の男の子どもを妊娠したとしたら…
そんなことを想像しただけで、俺は胸が痛くなる。
この先、そんなことが起こらないことを願うだけだ。

翌日、綾夏は、昼過ぎに自分の部屋に帰って行った。
この三連休のことを振り返ってみると、
由美に会い、綾夏からR恵の話しを聞いた、
それだけで、いろいろなことがあったなと感じた。

だが、この三連休の間、俺は決して忘れていたわけではない。
綾夏が俺の子を妊娠しているかもしれないことは、常に俺の頭の中にあった。

今はまだ、綾夏の生理は始まっていない。
綾夏の生理が始まるとすれば、今日から数日の間のことだろう。
もしもその間に、綾夏の生理が始まらなかったとしたら…

実際に妊娠が確定するのは、今から数週間後になるとは思うが、
妊娠が確定した時のために、俺は、今から心の準備をしておかなければならない。
妊娠が確定したら、結婚しようと直ぐに伝えることだけは決めている。
ただ、今のところ、それ以外のことについては、何も考えていなかった。

先ず、綾夏なら、生理が遅れたとき、どういう行動を取るだろうか。
一人で医者に行って診断してもらい、その結果を俺に伝えるのか、
医者に行く前に、自分で妊娠検査薬などで確認し、その結果を俺に伝えるのか、
それとも、生理が数週間遅れた時点で、そのことを俺に伝えるのか…

綾夏が帰って一人になってから、そんなことばかり考えていたが、結局、杞憂に終わる。
翌日の夜、綾夏から『生理が始まった』というメールが届いた。
そのメールを見た瞬間、俺は拍子抜けしてしまった。
ただ、ガッカリした気持ちになったことは確かだが、
その反面、安堵した気持ちにもなっていた。


[50] Re: 続々 せ・ふ・れ  ジーン :2024/10/21 (月) 11:55 ID:BFUo6./o No.195697
ガッカリと安堵、よくわかります。
綾夏ちゃんは覚悟が出来ていたんでしょうね



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